研究課題/領域番号 |
10671608
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
耳鼻咽喉科学
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研究機関 | 和歌山県立医科大学 |
研究代表者 |
斉藤 匡人 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (80205658)
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研究分担者 |
戸川 彰久 和歌山県立医科大学, 医学部, 助手 (70305762)
山中 昇 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (10136963)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
1999年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1998年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 粘膜免疫 / 上気道 / 扁桃 / ウイルス感染 / costimulatory factor / 習慣性扁桃炎 / costimulatory signal |
研究概要 |
上気道の感染防御機構を解明、制御することは耳鼻咽喉科領域における様々な感染症を治療するに当たり必要不可欠な課題である。しかし、上気道感染、特に日常よく見られる上気道ウイルス感染に対する局所免疫応答の研究はあまり顧みられていない現状にある。 本研究は上気道における粘膜免疫機構の誘導組織と考えられる口蓋扁桃のウイルス感染に対する免疫応答を解明する目的で、扁桃単核球上のco-stimulatory factor(CD80,CD86)の発現の点から検討した。FACSによる解析から幼少児に比べ大人では扁桃B細胞上のco-stimulatory factorの発現が低く、また習慣性扁桃炎では非炎症性扁桃に比較して発現が有意に低下していることが明らかになった。しかしウイルス(respiratory syncytial virus)や細菌のスーパー抗原(staphylococcal enterotoxin B)で刺激するとその発現は習慣性扁桃炎でも非炎症性扁桃と同程度に増強され得た。このB細胞上のco-stimulatory factorの発現にはT細胞との同時培養が必要であった。また一方、T細胞の増殖にはB細胞上のco-stimulatory factorの発現が必要であることが示された。さらに習慣性扁桃炎におけるB細胞上のco-stimulatory factorの発現の低下はT細胞やB細胞から産生されるIL-10が要因のひとつであることが判明した。即ち、抗原刺激によるB細胞上のco-stimulatory factorの発現の増強は培養液中に抗IL-10抗体を添加することによって増強される傾向にあり、そのIL-10の産生細胞はintra-cellular cytokine staining法によって主にT細胞であることが示された。 本研究により口蓋扁桃の外来抗原に対する正常な免疫応答にはB細胞上のco-Stimulatory factorの発現が重要な役割を果たしており、習慣性扁桃炎の病態はこの発現が低下していることが明らかにされた。
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