研究課題/領域番号 |
10671615
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
耳鼻咽喉科学
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
飯田 政弘 東海大学, 医学部, 助教授 (80184357)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2000年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1999年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1998年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
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キーワード | 前庭動眼反射(VOR) / 自覚的視性垂直(SVV) / 垂直半規管 / 耳石 / 空間識 / 耳石器 / 眼傾斜反応(OTR) |
研究概要 |
垂直半規管性および耳石性眼反射の三次元構築とその空間識への影響について。 1)垂直半規管性および耳石性眼反射(VOR)。 平成10年度実施研究において、左右各々の前・後半規管ごとのVORの三次元構築は完了した。すなわち、右前半規管の興奮性眼反射で下眼瞼向き・時計回り、右後半規管の興奮性眼反射で上眼瞼向き・時計回りのVORが確認された。また、左前半規管の興奮性眼反射で下眼瞼向き・反時計回り、左後半規管の興奮性眼反射で上眼瞼向き・反時計回りのVORが確認された(眼振方向はすべて、被検者からみた方向)。耳石性VORの三次元構築に関しては、球形嚢からの垂直性VORが、卵形嚢からは回旋および垂直性VORが誘発されることが確認できた。垂直半規管性VORに関し、平衡覚障害のない健康成人では、左右の前・後半規管の間で、VORの最大緩徐相速度に差異は認められないが、高齢者においては後半規管由来のVORの最大緩徐相速度に低下が認められた。また、良性発作性頭位めまい症(BPPV)において、患側後半規管由来のVORの最大緩徐相速度に低下が認められ、患側後半規管で内リンパ対流の障害が考えられた。 2)自覚的視性垂直(SVV)。 被検者の頭を60°後屈、さらに左・右に各々45°回旋させた頭位において回転椅子に着座させ、回転刺激を負荷し、各垂直半規管を刺激、興奮させる。被検者の正面に垂直位にした棒を回転椅子に固定し、回転前と回転中のSVVがこの棒より左右いずれかに偏倚したかを、各前・後半規管ごとに比較、検討した。その結果、被検者の頭を60°後屈、さらに左・右に各々45°回旋させた2頭位において、回転前で、SVVは正常値を呈した。回転中のSVVは異常値を呈した。ことに後半規管が興奮した状態では、興奮した後半規管側へSVVが偏倚する傾向にあった。以上より、垂直半規管が自覚的視性垂直に関係し、空間識への関与が示唆された。
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