研究課題/領域番号 |
10671634
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
眼科学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
沼賀 二郎 東京大学, 医学部・附属病院・分院, 講師 (30189352)
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研究分担者 |
上甲 覚 東京大学, 医学部・附属病院・分院, 助手 (80246470)
藤野 雄次郎 東京厚生年金病院, 眼科部長(研究職) (30143465)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
1999年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1998年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
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キーワード | 網膜色素上皮細胞 / 網膜色素上皮保護蛋白 / ぶどう膜炎 / エンドトキシン / 過酸化脂質 / オルニチン網膜症 / 組織障害 |
研究概要 |
有色家兎の網膜色素上皮細胞(RPE)を用いて、網膜色素上皮保護蛋白(RPP)の作成を施行した。形態学的にRPE培養細胞であることの確認後、crudeRPPの作成を施行し、以下の2実験を行なった。 実験1有色家兎のエンドトキシン誘発ぶどう膜炎(EIU)におけるRPPの作用 実験2有色家兎のオルニチン網膜症に対するRPPの作用 実験1ではリポポリサッカライド(E.coli)を有色家兎の硝子体内に注入しEIUを惹起させ、同時にRPPを硝子体内に注入した。対照群には加熱非活性化したRPPを用いた。24時間後に眼球を摘出し、細胞数と蛋白濃度(前房内、硝子体内)及び虹彩と毛様体、脈絡膜、網膜に含まれる過酸化脂質(Conjugated diene)を測定した。 細胞数は前房内、硝子体内とも対照群と有意差はなかった。蛋白濃度は硝子体内のみで有意差がみられ、RPP注入群1.11±0.10(mg/ml)、対照群1.59±0.26であった(P<0.005)。過酸化脂質は網膜のみで有意差がみられ、RPP注入群43.3±6.7(nmol/eye)、対照群49.6±5.6であった(P<0.05)。よってRPPはEIUモデルにおいて硝子体内の蛋白漏出を抑え、また網膜組織障害を軽減させる作用があると考えられた。 実験2では0.25M/lまたは0.5M/lのl-ornithinehydrochlorideを硝子体中に注入し、同時に治療群にはcrudeRPPを、また対照群には熱非活性化したRPPを注入した。5日目に眼球摘出を行ない光顕、電顕により検討した。対照群は従来の報告と同様に、網膜色素上皮および網膜外層の組織障害が観察された。一方、治療群では極く軽度の網膜色素上皮の障害がみられた。作用機序は不明であるが、RPPにはオルニチンによる組織障害を軽減させる作用があると考えられた。
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