研究課題/領域番号 |
10671657
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
眼科学
|
研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
坂東 正康 東海大学, 医学部, 助教授 (70138650)
|
研究期間 (年度) |
1998 – 1999
|
研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
|
配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
1999年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1998年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
|
キーワード | 水晶体 / アスコルビン酸フリーラジカル還元酵素 / 可溶性画分 / 結合性画分 / 分子多様性 / アイソフォーム / 膜結合性画分 |
研究概要 |
ヒト水晶可溶性画分のアスコルビン酸フリーラジカル(AFR)還元酵素は、アスコルビン酸を還元維持する重要な酵素であり、ジアフォラーゼ活性をも有しており、β/γ-クリスタリンに類似して等電点電気泳動などにおいて多くのアイソフォームに分離する。 本研究課題においては当初、ヒト水晶可溶性AFR還元酵素の分子多様性は、2次元電気泳動後、まず主要アイソフォーム由来の単一蛋白質について部分的なアミノ酸配列の情報を得てから、各アイソフォームの一次構造上の差を検討する予定であったが、試料不足などのため一次構造の解析は成功しなかった。ヒトの場合と同様にヘテロジェニティーを有するが、かなり高い等電点を持つウサギ水晶体可溶性AFR還元酵素についても一次構造の解析を行ったが、未だに結果を得るにはいたっていない。 しかしながら、本研究では、各種動物水晶体の可溶性および不溶性画分についてもAFR還元酵素活性ならびにジアフォラーゼ活性の定量を行い、以下の通り興味ある研究成果を得た。各種動物水晶体において、AFR還元酵素は可溶性と膜結合性の2種類に大別され、それぞれジアフォラーゼに対する活性比が異なるなどの理由から異なる分子腫で異なる役割を果たすと推察された。可溶性AFR還元酵素は近紫外線フィルター機能を有する動物腫(ヒト、カエル、モルモット、ウサギ)で高活性で、アスコルビン酸の抗光酸化能を高めると思われたが、膜結合性のものは活性の種差が小さく、いずれの動物種においても膜周辺のオキシダント還元およびアスコルビン酸還元維持の役割を有すると考えられた。水晶体AFR還元酵素の分子多様性は、光化学反応や細胞膜周辺で生ずる広範囲のオキシダントを還元処理するため適応した性質と考えられるが、結論を出すにはさらなる検討が必要である。
|