研究課題/領域番号 |
10671668
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
小児外科学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
岩田 啓之 名古屋大学, アイソトープ総合センター, 助手 (30273197)
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研究分担者 |
石黒 士雄 日本赤十字愛知短期大学, 看護学科, 教授 (80142173)
濱口 道成 (浜口 道成) 名古屋大学, 医学部, 教授 (90135351)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
1999年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1998年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 神経芽腫 / NGFR / TrkA / GMI / PC12 / trkA / GM1 |
研究概要 |
研究目的であるNGFR(TrkA)のGM1との相互作用の解析と臨床応用へ向け、まず、臨床サンプルを扱うために効果的なNGFR(TrkA)結合GM1の検出法の検討を行った。Trk特異抗体を用いた免疫沈降法は可能であったが、Trkに結合したGM1の検出は感度の点で困難を極めた。免疫沈降法の後immunoblotting及びTLC法の両方法の改善と感度増加を試みたが、抗GM1高感度抗体が存在しないため、CTB、GM1の相互作用を用いて検出した。しかし、臨床サンプルの様な保存状態に差異が多くGM1濃度変動が大きい検体を解析するには不適当であると結論づけざるを得なかった。そこで、培養細胞株を用いて、NGFR(TrkA)とGM1相互作用の詳細な機構の検討を通じ、本機構の関与を検討する新たな方法につながる知見を求めることとした。その結果、共焦点レーザー顕微鏡を用いた蛍光抗体法によって、細胞表面におけるNGFR(TrkA)とGM1の分布状況が神経分化するPC12細胞と分化しない神経芽腫細胞NB-1では著しく異なることを見出し、両者の相互作用の破壊が神経芽腫の分化抑制NGF不応機構に関与していることを示唆することができた。しかし、此のメカニズムが分化制御に支配的な役割を果たしているとすると、高Trk発現神経芽腫がNGF高濃度培養条件下で分化する機構を説明できない。これを検討するため低濃度のNGF環境下でのいわば高Trk存在による拮抗阻害機構を想定し、共同研究者から提供されたNGFによって分化可能なTrk高発現PC12細胞とPC12細胞を比較して、生理的条件下の様な低濃度NGF環境下での神経分化機構の検討を開始した。その結果、高Trk発現PC12とPC12では、Trkのチロシンリン酸化レベルに差異が少ないことを見出し、此の仮定が臨床予後良好神経芽腫の生理的状態を反映している可能性を示唆するに至った。本研究の最終目的たる新診断及び治療へ直接関与することは達せられなかったが、神経芽腫の病態解明の上で重要な知見を得ることができた。(本研究の結果は、98年、99年日本小児癌学会で報告した。)
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