研究課題/領域番号 |
10671671
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
小児外科学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
窪田 正幸 九州大学, 医学部, 助教授 (50205150)
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研究分担者 |
水田 祥代 九州大学, 医学部, 教授 (30038856)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
1999年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1998年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
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キーワード | 磁気刺激法 / 仙骨神経 / 陰部神経 / 外肛門括約筋 / 直腸肛門奇形 / ヒルシュスプルング病 / 内肛門括約筋 / 神経筋伝達 |
研究概要 |
《臨床的検討》 (1)直腸肛門奇形症例における外肛門括約筋並びに陰部神経機能の経年的変化の検討 脊髄磁気刺激法並びに経直腸壁陰部神経刺激法を用いて、本症20例より外肛門括約筋筋電図を導出し、その経年的変化を検討した。(1)術前陰部神経機能:磁気刺激法を用いた術前高位・中間位型5例の検討では、発生潜時は、対照と比べ延長し(5.8±1.2vs3.8±0.7msec)、先天的に陰部神経機能が障害されている可能性が示唆された。また、最大振幅反応も仙骨部ではなく腰椎部刺激で認められた。(2)術後経年的変化(最長観察機関5年)a.経直腸壁陰部神経刺激法を用いた検討:検討開始時高位型9例中4例に反応が認められたが、刺激発生閾値は上昇していた。経年的には閾値低下とそれに伴う排便機能の改善が認められた。また、反応の認められなかった5例中2例に反応が出現するようになった。b.磁気刺激法を用いた検討:高位型において発生潜時の短縮と、最大反応出現部位が仙骨部へと変化する傾向が認められた。 【結語】本症高位型においては、陰部神経機能が先天的に障害されている可能性があるが、成人と異なりその障害は可塑性を有し、陰部神経並びに括約筋機能共に経年的改善が認められるものと結論された。 (2)胆道閉鎖術後症例における体性感覚誘発電位異常の経年的変化の検討 後脛骨神経刺激による脊髄並びに頭部体性感覚誘発電位を記録し、その経年的変化を検討した。黄疸持続例における馬尾神経誘発電位の振幅低下並びに消失所見が経年的に認められたが、ビタミンE欠乏に起因するものではなかった。肝移植例において、誘発電位異常の改善が認められ、慢性肝機能異常より発生した誘発電位異常と考えられた。 (3)腸管持続内圧測定による直腸肛門奇形症例における直腸運動機能異常の検討 デントスリーブポンプを用いた直腸4点同時記録法を用いた。高位術後4例においては、案性時直腸運動は低下していたが少量の液体貯留が発生すると直腸収縮と排液があり、仙骨神経関与の無い異常な排便パターンが認められた。 ≪基礎的検討≫ 等尺性収縮記録法並びに微小電極法を用いて犬内肛門括約筋を検討した。括約筋平滑筋は直腸平滑筋と比べ高頻度の自発膜活動を示し、それに伴いmuscle toneの発生が認められた。神経支配では交換神経による興奮性神経支配と非コリン非アドレナリン作働性抑制性神経支配が認められ、これらの筋原性並びに神経原性括約筋機構により括約筋として機能していることが明らかにできた。
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