研究課題/領域番号 |
10671682
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
形成外科学
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
山下 俊一 (1999) 長崎大学, 医学部, 教授 (30200679)
村上 隆一 (1998) 長崎大学, 医学部・附属病院, 講師 (70239507)
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研究分担者 |
村上 隆一 長崎大学, 医学部, 助手 (70239507)
藤井 徹 長崎大学, 医学部, 教授 (60136661)
山下 俊一 長崎大学, 医学部, 教授 (30200679)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
1999年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1998年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | ケロイド / 受容体型チロシンキナーゼ / インスリン様成長因子受容体 / アポトーシス / IGF-I receptor |
研究概要 |
ケロイドでは正常皮膚の線維芽細胞と比較し受容体型チロシンキナーゼのひとつであるインスリン様成長因子受容体(IGF-IR)の発現量が増加しそのシグナルが線維芽細胞の周囲への浸潤に関与していることを前年度報告した。IGF-IRのシグナルは細胞増殖や形質転換・蛋白合成など多様な生理作用をもつが、なかでもアポトーシスに対する抑制作用は多くの細胞種において認められ細胞の癌化にも関連していることが報告されている。そこでケロイド線維芽細胞で過剰に発現しているIGF-IRとケロイド線維芽細胞のアポトーシスとの関係について検討を行った。ケロイドと正常皮膚の初代培養線維芽細胞に対してスフィンゴ脂質の代謝産物で細胞内シグナル伝達物質の1つであるセラミドによってアポトーシスを誘導し、位相差顕微鏡・蛍光核染色・Flow cytometry・WST-1assayによりその同定を行った結果ケロイド線維芽細胞ではアポトーシスに対する抵抗性が認められた。次にこのアポトーシス誘導系に対してIGF-Iの添加を行うと、正常皮膚線維芽細胞ではIGF-I添加による生存率の増加はごく僅かであったのに対しケロイドでは有意な生存率の増加が確認された。さらにそのシグナルの確認としてIGF-IRシグナルの下流に存在するPI3キナーゼの特異的阻害剤(ウオルトマニン)による前処置を行うとケロイド線維芽細胞でみられたIGF-Iの作用は有意に抑制され、ケロイドで過剰に発現しているIGF-IRはPI3キナーゼを介した経路でアポトーシスの抑制に働いていることが確認された。以上の結果については第72回日本内分泌学会および第8回日本形成外科学会基礎学術集会において報告を行った。今後もさらにそのシグナルの解析をすすめることによりケロイドの病態の解明および新たな治療方法の研究開発につなげていきたい。
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