研究課題/領域番号 |
10671711
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
形態系基礎歯科学
|
研究機関 | 明海大学 |
研究代表者 |
羽毛田 慈之 明海大学, 歯学部, 助教授 (90164772)
|
研究分担者 |
久米川 正好 明海大学, 歯学部, 教授 (40049367)
|
研究期間 (年度) |
1998 – 1999
|
研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
|
配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
1999年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1998年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
|
キーワード | 破骨細胞 / 骨髄細胞 / 骨吸収 / Gas6 / Tyro3 / c-src / PI3-kinase / FAK / Tyro-3 / トランスフェクション / Quantitative RT-PCR / Tyrosine phosphorylation |
研究概要 |
I.Tyro-3のリガンドであるGas6が、どのように成熟破骨細胞の骨吸収活性に直接作用するかを純粋成熟破骨細胞の象牙片上での培養系を用いて検討した。Gas6は0.3nMから有意に破骨細胞の骨吸収活性を促進し、その促進作用はGas6添加6時間ですでに現れ、少なくとも24時間まで持続した。 II.ウサギ破骨細胞のcDNAライブラリーから、Tyro-3特異的RT-PCR primerを用いRT-PCRを行いTyro3cDNA断片(650bp)をサブクローニングした。そのウサギTyro-3の塩基配列はヒトおよびラットTyro-3の配列とそれぞれ92%および93%のホモロジーを示した。 III.成熟破骨細胞におけるTyro-3の発現を坑Tyro-3抗体を用いた免疫染色で確認した。また、骨組織でのTyro-3の発現パターンを骨芽細胞、単離破骨細胞、血球系細胞を代表して膵細胞および骨髄細胞を用いて、RT-PCRから検索した。その結果、Tyro3の発現は単離破骨細胞にのみ検出され、骨組織における破骨細胞の特異的なTyro3s発現が確認された。さらに、骨髄細胞と骨芽細胞の共存培養系で酒石酸耐性酸ホスファターゼ陽性の破骨細胞様細胞が出現するのと平行してTyro3の発現が認められ、破骨細胞の分化課程においてTyro3の発現は未分化破骨細胞では小さく、成熟するに従って増強することがわかった。 IV.Tyro-3を介したGas6の情報が破骨細胞においてどのように伝達されるか、Tyro-3の下流に位置する情報伝達分子は何かを坑phosphotyrosine抗体および坑c-src、坑PI2-kinase、坑FAK抗体を用いて検討した。その結果、Gas6刺激によってc-src,FAKおよびPI3-kinaseのリン酸化が促成された。すなわち、活性化したTyro3jは、c-src,FAKおよびPI3-kinaseと会合し、情報が伝達されると考えられる。 V.破骨細胞の骨吸収活性を指示することの出来る株化間質細胞ST2細胞にいて、活性型ビタミンD3および副甲状腺ホルモンの作用によってGas6産生を増強した。いずれのホルモンとも骨吸収促進作用があることから、その機構にGas6/Tyro3が関与することが示唆された。
|