研究課題/領域番号 |
10671716
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
形態系基礎歯科学
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研究機関 | 東京歯科大学 |
研究代表者 |
井上 孝 東京歯科大学, 歯学部, 助教授 (20125008)
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研究分担者 |
安彦 善裕 北海道医療大学, 歯学部, 助教授 (90260819)
下野 正基 東京歯科大学, 歯学部, 教授 (00085771)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2000年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1999年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1998年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | マラッセの上皮遺残 / アポトーシス / bcl-2 / PCNA / 電子顕微鏡 / セメント質 / 基底膜 / 歯原性上皮 / 透過型電子顕微鏡 / シグナル伝達 / マラッセ上皮遺残 / ギャップ結合 |
研究概要 |
マラッセ上皮遺残のシグナル伝達を解明する目的で3年間にわたるプロジェクトを立ちあげ、平成10年度は、ヘルトヴィッヒの上皮鞘の断裂のメカニズム、マラッセの上皮遺残の増殖のメカニズムを明らかにした。平成11年度には断裂した上皮鞘の間を間葉系の細胞が通過可能となり、内側エナメル上皮に接触し間葉系の細胞が内側エナメル上皮細胞からなんらかのシグナルを受け取りセメント芽細胞に分化する形態像を捉えた。平成12年度には、マラッセの上皮遺残がセメント質内に取り残されていく過程を研究し、歯根の形成が進むにつれ、一部のマラッセ上皮遺残は基底膜が回復し、歯根膜内に取り残されいわゆる上皮遺残となるが、セメント芽細胞など間葉系細胞と接触したものは、基底膜の回復が遅れ、その間にセメント芽細胞の基質沈着によりセメント質内に埋め込まれていく過程を形態学的に証明した。これらの細胞はTUNEL染色陽性となり、基底膜の再生が行なわれないと細胞死を起こし、セメント質基質に封入されてしまうとことが示唆された。3年間の研究から、臨床的に失われた歯周組織特にセメント質の再生を望むには、マラッセ上皮遺残からのメッセージが重要であることが示唆され、歯周治療後にも何らかの形で、上皮からのシグナルを残余歯根膜組織に与えることで、歯根膜のセメント芽細胞への分化が起こるものと考察された。今後さらに、その物質が何であるかの解明を行なう予定である。
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