研究課題/領域番号 |
10671768
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
病態科学系歯学(含放射線系歯学)
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
弘田 克彦 徳島大学, 歯学部, 助手 (60199130)
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研究分担者 |
根本 謙 徳島大学, 歯学部, 助手 (10218274)
小野 恒子 徳島大学, 歯学部, 助教授 (40035514)
三宅 洋一郎 徳島大学, 歯学部, 教授 (80136093)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
1999年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1998年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
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キーワード | レンサ球菌 / S.intermedius / 肝疾患 / CD15s / 脾臓 / CD8 / Lewisy |
研究概要 |
口腔常在菌であるS.intermediusにみられるCD15s類似抗原の生体におよぼす影響について検討した。その結果、CD15s類似抗原が菌体表面にみられるS.intermediusを大量に持続的に歯肉部より接種したことにより、通常は発現していないCD15sを肝細胞が発現し、この抗原に対して感作された免疫システムにより炎症が増悪された可能性が示唆された。また以下に挙げる事実が明らかとなった。 ・ S.intermediusNCDO2227株死菌体をBALB/cマウスの歯肉より持続的に接種した結果、自己抗原であるCD15s類似抗原に対する抗体価が上昇した。 ・ 下顎の菌液接種部位において炎症性細胞侵潤を伴う膿瘍形成が認められた。S.intermedius死菌体の歯肉よりの持続接種により、遠隔臓器である肝臓に臓器特異的な炎症反応が惹起された。CD15s類似抗原をもつS.intermediusによる口腔内膿瘍等の慢性感染症は、肝臓に対して膿瘍形成さらには自己免疫反応による障害を引き起こすことが示唆された。 ・ 肝臓に浸潤しているT細胞は、そのほとんどがCD8陽性T細胞であり、CD4陽性T細胞は非常に少数であった。またB細胞も多数浸潤していた。肝臓に多数浸潤していたCD8陽性T細胞が、CD15s結合・認識能力の高い少数のCD4陽性T細胞に調節され、CD15sを発現している肝細胞に対し障害している可能性が示唆された。 ・ 頚部リンパ節ではT細胞のCD15s陽性細胞が増加していた。またB細胞ではCD15sの発現が減少していた。脾臓においては、T細胞には著明な変化は認められなかったが、B細胞はMFIが右方にシフトしており、CD15sの発現増強が認められた。 ・ 脾臓においては、CD15s陽性の多核巨細胞が多数出現し、その周囲にはCD15s陽性リンパ球が集簇していた。
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