研究概要 |
下顎骨臼歯部のインプラント術前画像検査としてCT検査とDLPシステムによる断層撮影を16患者(男性7患者,女性9患者,平均年齢51.8歳SD12.9)に施行した.観察部位は30部位で,第一小臼歯部1部位,第二小臼歯部7部位,第一大臼歯部16部位,第二大臼歯部6部位であった. 各画像における下顎骨形態の計測においては,X線診査用ステントのマーカーに沿って直線(埋入予定線)を引き,その直線上で歯槽骨の交点と下顎骨下縁皮質骨表面の交点との間の距離,下顎管上壁から埋入予定線に垂線を引き,その交点と歯槽骨の交点との間の距離,下顎管上壁から埋入予定線への垂線を延長した直線上で,頬側皮質骨表面と舌側皮質骨表面との間の距離,Dental CT像で埋入予定線上で歯槽骨の交点から5mmの点において,その直線に直角に頬側皮質骨表面と舌側皮質骨表面との間の距離を測定した.横断断層像では同様に歯槽骨との交点から7mmの点で測定した. 各画像間における計測した値の評価は,差=AZ補正値-CT計測値,平均の差=Σ|AZ補正値-CT計測値|/N(総数)の式で求めた. 結果は,DLPシステムによる横断断層像とDental CT像において,下顎骨形態の計測値において差と平均の差は,歯槽骨交点-下顎骨下縁皮質骨交点間では-1.8〜2.0,1.2mm(SD0.6),歯槽骨交点-下顎管上壁間では-1.8〜1.6,0.8mm(SD0.5),歯槽骨交点から5mm(横断断層像では7mm)における頬側皮質骨表面-舌側皮質骨表面間では-1.9〜2.0,0.7mm(SD0.5),下顎管上壁における頬側皮質骨表面-舌側皮質骨表面間では-2.0〜2.0,0.9mm(SD0.5)であった. DLPシステムを付属した歯科パノラマX線装置による横断断層像とDental CT像とにおいてインプラント埋入部位の骨形態の計測を行ったところ,両者の値は比較的近似していた.
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