研究概要 |
重合開始剤におけるラジカル発生が生体中の不飽和脂肪酸や燐資質の二重結合にも作用し重大な影響を与えるとの報告があるように,ベースモノマーだけでなく重合開始剤の重合体中からの溶出挙動についても検討を加える必要がある。そこで本研究は,全波長領域におけるベースモノマーの重合率と重合開始剤の添加量並びに溶出量との関係について検討を行った。 本研究において重合率を重合開始剤の種類と溶出並びに添加濃度との関係について検討を行った。その結果,以下の結論を得た。 1.重合開始剤の種類により溶出挙動が異なり,ラジカル発生だけでなく第三アミンも重合に関与していることが推察された。 2.重合開始剤添加量の増加と共にCQの溶出量は増加するが,溶出量は添加量ではなくベースモノマーの重合率に依存した。 3.重合開始剤を0.5wt%添加したベースモノマーの重合率が最大値を示し,1.5wt%添加で最小値となった。したがって,一定量以上の重合開始剤の添加は重合率の低下をもたらすことが明らかとなった。 4.重合開始剤の種類により,添加量が重合率に影響を及ぼすことが示唆された。
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