研究概要 |
LEDを照射器光源に応用するために光源の形態,集光,照射方法,充電池による駆動等の研究を行ない,これらのことを総合してコードレスタイプのLED照射器を試作した.1.光源の形態,集光:1998年当初はLED事態の出力も小さく,照射器光源として十分な光強度を得るために61個のLEDを配列して使用していたが,LEDの性能向上,リフレクターなどの使用による集光の効率化が功を奏し,37個のLEDで光源を制作することができ,大きさも,5cmから3cmと小型化した.2.照射方法:LEDは固体光源であるために,パルス発光という特有の発光形式をとることができ,点灯,消灯の割合を調節する(duty)ことにより付加電流の増加を図ることが可能である.Dutyと周波数がコンポジットレジンの重合率に与える影響を検討したところ,光強度×照射時間を一定にした場合でも連続照射と比較するとパルス照射の方が有意に高い重合率を示すことがわかった,また,LEDの場合では,dutyを小さくしすぎると付加電流の上昇にともない波長特性が変化することより重合率が低下することも判明した.3.充電池による駆動:LEDをコードレス照射器光源として応用するために各種充電池を用い,光強度の経時的な変化と照射可能時間について検討したところ,ハロゲンランプを用いた従来型のコードレス照射器と比較すると照射可能時間は約3倍となり,光強度の経時的な変化もほとんどなく,非常に優れた特性を示した.これは,LEDの消費電力が小さいことに起因している.
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