研究課題/領域番号 |
10671885
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
外科系歯学
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
中西 宏彰 徳島大学, 歯学部, 助手 (00243717)
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研究分担者 |
武知 正晃 徳島大学, 歯学部, 助手 (00304535)
藤澤 健司 徳島大学, 歯学部, 助手 (40228979)
宮本 洋二 徳島大学, 歯学部・附属病院, 講師 (20200214)
石川 邦夫 岡山大学, 歯学部, 助教授 (90202952)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
1999年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1998年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | アパタイトセメント / 結晶性 / 骨置換 / 炭酸水素ナトリウム / 破骨細胞 / アパタイト / 骨置換型 |
研究概要 |
アパタイトセメントは、骨のアパタイトと同様に結晶性が低く、溶解性が高いため、破骨細胞によって吸収されると考えられている。破骨細胞による吸収週程がアパタイトセメントの骨置換の律速段階であるとすれぱ、その組成をさらに骨のアパタイトに近づけ、破骨細胞により吸収されやすく設計することによって骨との置換が促進できると考えられる。アパタイトセメントと骨のアパタイト結晶の相違のうち、破骨細胞による吸収に最も影響を及ぽすのは炭酸基の存在である。現在のアパタイトセメントは炭酸基を含んでいないが、骨のアパタイトは4〜7%の炭酸基を含むカーポネイトアパタイトであり、実際、アパタイトの溶解度は炭酸基の含有量に大きく依存していることが知られている。そこで本研究では、セメント硬化体をカーボネイトアパタイトに誘導することにより、迅速に骨と置換するアパタイトセメントを試作し、同セメントの物性、破骨細胞による吸収特性を検討するとともに、動物実験で試作セメントの骨置換性を評価した。その結果、炭酸水素ナトリウムをアパタイトセメントに添加することにより、セメント硬化体は骨アパタイトに含まれるBタイプ炭酸含有アパタイトになることが分かった。硬化体に含有される炭酸量は添加する炭酸水素ナトリウムの量にともなって増加したが、炭酸水素ナトリウム添加量の増加にともない、硬化時間はやや遅延し、機械的強度もやや減少した。セメント硬化体のpH5.5(破骨細胞が形成するpH環境)溶液に対する溶解度は、炭酸水素ナトリウム添加量とともに増加することが分かった。さらに、培養破骨細胞を用いた吸収実験で、5%の炭酸基を含有アパタイトセメントは、従来のセメントに比較して、2倍の吸収性を持つことが明らかになった。動物実験でも、セメント内へ多くの新生骨が侵入することが確認された。以上の結果から、炭酸含有アパタイトセメントは、迅速に骨と置換することから、顎骨欠損部の補填・再建に有用である優れた生体材料であることが明らかになった。
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