研究課題/領域番号 |
10671886
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
外科系歯学
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
岡本 正人 徳島大学, 歯学部, 助手 (10243718)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
1999年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1998年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | 口腔癌 / IL-6 / 骨浸潤 / 破骨細胞 / 骨吸収 / 遊走能 |
研究概要 |
数種の口腔癌細胞株において、IL-6産生能を蛋白およびmRNAレベルで検索し、骨浸潤性口腔扁平上皮癌細胞株BHYおよび唾液腺癌細胞株TYSが強いIL-6産生能を有する事が明らかとなった。非骨浸潤性口腔扁平上皮癌細胞株HNTおよび唾液腺癌細胞株HSGはIL-6を殆ど産生していなかった。これら4種の細胞株を使用し、口腔癌細胞由来IL-6の破骨細胞性骨吸収に及ぼす影響をin vitro実験系で検索した。牛大腿骨片骨吸収窩形成試験で、破骨細胞培養中にBHYまたはTYS培養上清を加える事により、あるいは破骨細胞とBHY,TYSとの混合培養により破骨細胞性骨吸収は著明に増強し、この活性は抗IL-6中和抗体で抑制された。HNTあるいはHSGでは影響は認めなかった。さらに、BHYおよびTYS培養上清は有意に破骨細胞の遊走能を増強させ、これも抗IL-6抗体で抑制された。興味深い事に、BHYあるいはTYSと破骨細胞を混合培養した時の上清は口腔癌細胞の遊走能を著明に上昇させた。混合培養中に抗IL-6抗体を加えた時はこの活性は阻害されたが、上清回収後に抗IL-6抗体を加えた時は効果はなかった。以上の実験から、口腔癌細胞由来IL-6は破骨細胞を局所に遊走、活性化させ骨吸収を増強させるだけでなく、破骨細胞との相互作用で癌細胞の骨吸収窩への遊走にも関与し、口腔癌の骨浸潤に重要な役割を担っている事が示唆された。さらに、ヌードマウスにおけるBHYの下顎骨浸潤は抗IL-6中和抗体によりほぼ完全に抑制された。口腔癌細胞由来IL-6の骨浸潤に及ぼす影響をさらに詳細に検索するため、これらの細胞にセンスあるいはアンチセンスオリエントIL-6発現ベクターを導入しIL-6強制発現株およびIL-6ノックアウト株を既に樹立した。
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