研究課題/領域番号 |
10671937
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
矯正・小児・社会系歯学
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
三木 善樹 徳島大学, 歯学部, 助手 (50294707)
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研究分担者 |
上岡 寛 岡山大学, 歯学部・附属病院, 講師 (80253219)
日浦 賢治 徳島大学, 歯学部・附属病院, 講師 (20228696)
森山 啓司 徳島大学, 歯学部, 教授 (20262206)
住谷 光治 徳島大学, 歯学部付属病院, 講師 (30206586)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1999年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1998年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 骨細胞 / 分化 / カルシウム感受性レセプター / RT-PCR法 / in situハイブリダイゼーション法 / 小胞体 / 細胞内遺伝伝達システム / カルシウムセンサー / 細胞内情報伝達システム / オステカルシン / アルカリフォスファターゼ活性 / 細胞内カルシウム / カルシウムチャンネル |
研究概要 |
【骨細胞の単離と同定】 生後1〜2日齢SD系ラットから頭蓋冠を取り出し、軟組織を取り除いた後、コラゲナーゼとキレート剤を用いて骨基質から6分画で細胞を単離した。その細胞の同定には、アルカリフォスファターゼ活性の定性と定量、並びにオステオカルシン遺伝子の発現をin situハイブリダイゼーション法を用いて行った。 結果:分画Iは線維芽細胞、分画IIIは骨芽細胞、分画VIは骨細胞の形態的特徴を示した。ALPase活性、オステオカルシン遺伝子の発現は分画IIIで高く、分画I、分画VIでは低かった。 【細胞外液カルシウムに対する骨細胞の応答性】 単離した骨細胞の細胞外液に高濃度のカルシウムを添加したときの応答を、ACAS570WORKSTATIONを用い、細胞内カルシウム濃度の変動を指標に検討した。 結果:骨細胞は、細胞外カルシウムの濃度に依存性して即時的に細胞内カルシウム濃度が上昇した。さらに、その応答は分化が進むにつれて上昇し、分画VIで最も高かった。また、電位依存性カルシウムチャンネルのアゴニストであるBAY K 8644、阻害剤であるニカルジピンを作用させても細胞内カルシウム濃度の上昇には変化がなかった。このことより、細胞内カルシウム濃度の上昇にはカルシウムチャンネルは関与せずに、カルシウム感受性レセプターを介していることが示唆された。 【骨細胞におけるカルシウム感受性レセプターの発現】 6分画で単離した細胞のカルシウム感受性レセプター遺伝子の発現をRT-PCR法とin situハイブリダイゼ-ション法を用いて行った。 結果:分画I、分画IIIの細胞にはカルシウム感受性レセプター遺伝子の発現は認められなかったが、分画VIの細胞にはカルシウム感受性レセプター遺伝子の発現が認められた。 【骨細胞における細胞内情報伝達システムの解明】 カルシウム感受性レセプターによる細胞内情報伝達システムについて検討を加えた。 結果:細胞内カルシウム貯蔵庫(小胞体)からのカルシウム放出阻害剤であるTMB-8、Ca-ATPase阻害剤であるタプシガルギンをそれぞれ前処置した後に細胞外に高濃度のカルシウムを添加しても応答しなかった。また、フォスフォリパーゼC阻害剤であるU-73122を前処置しても同様の結果であった。 【結論】 骨芽細胞から骨細胞へと分化するにつれて細胞膜上にカルシウム感受性レセプターが発現し、骨細胞、破骨細胞による骨吸収によって高濃度の細胞外カルシウムが存在する環境下でカルシウム感受性レセプターを介して応答するというカルシウムセンサーとしての役割があることが明らかになった。さらにその応答は、レセプター共役型G-タンパク質がフォスフォリパーゼCを活性化し、それによってできたイノシトール3リン酸が小胞体からのカルシウムを放出させる機能により行われていることが示唆された。
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