メソ位に2、6-ジフルオロフェニル基と2、6-ジクロロフェニル基を持つポルフィリンのβ位に順次フェニル基を導入した一連のポルフィリンをピロールおよびジフェニルピロールと2、6-ジフルオロベンズアルデヒドまたは2、6-ジクロロベンズアルデヒドとの混合縮合により合成した。アリル基の数が4、6、8(2つの異性体が存在する)、10、12個のポルフィリンをそれぞれTXPP、HXPP、trans-OXPP、cis-OXPP、DecXPP、DXPP(X=F or CL)と略記する。 紫外可視スペクトルの測定から、フェニル基の増加に伴いソーレー帯が長波長側へシフトすることが観測された(TXPP<HXPP<trans-OXPP<cis-OXPP<DecXPP<DXPP)。しかしX=FとX=Clではフェニル基の増加に伴うソーレー帯の長波長側へのシフトの度合いが明らかに異なっていた。これはポルフィリン環の歪みの程度が両者で異なっていることによると考えられる。X=Fではフッ素原子の孤立電子対とポルフィリンπ軌道の相互作用がポルフィリン環とメソフェニル基の共役がポルフィリン環の歪みと密接に関係していることが推測される。まtがTXPP(X=FとX=Cl)でモノカチオン状態が非常に安定であることが判明した。
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