1.培養モルモット気管支平滑筋増生に対するendothelin及びnitric oxideの効果 MTT法及び光学顕微鏡下での細胞数計測により気管支平滑筋細胞数を測定し、endothelin-1(ET-1)及びepidermal growth factor(EGF)による気管支平滑筋細胞増殖に対する効果を検討した。ET-1及びEGFは、濃度依存的に気管支平滑筋細胞増殖促進作用を示し、ET-1による作用はET_A受容体遮断薬BQ-123によって抑制された。さらに、EGFによる細胞増殖促進作用は、ET-1共存下において増強された。一方、nitric oxide(NO)donor、SIN-1はET-1による細胞増殖促進作用を有意に抑制した。以上の結果は、ET-1が培養モルモット気管支平滑筋細胞に対し、ET_A受容体の活性化を介して細胞増殖促進作用を示すことを示唆している。また、NOはET-1による細胞増殖促進作用を抑制することから、気道リモデリングを阻害することが推察される。 2.培養モルモット気管支平滑筋細胞に存在するNOsynthase(NOS)の同定 NOSの抗体を用いて免疫染色法により培養モルモット気管支平滑筋細胞に存在するNOSのisoformを同定した。本研究に用いた平滑筋細胞において、構成型NOSであるeNOSの免疫反応は検出できたが、誘導型iNOSについては検出できなかった。一方、培養中にET-1を添加して培養した平滑筋細胞においてはiNOSが検出された。以上の結果より、培養モルモット気管支平滑筋細胞には通常の培養条件でeNOSが主に分布するが、iNOSは分布せず、ET-1刺激によってiNOSが誘導されることが示唆された。
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