研究課題/領域番号 |
10672106
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
環境系薬学
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
木津 良一 金沢大学, 大学院・自然科学研究科, 助教授 (80143915)
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研究分担者 |
早川 和一 金沢大学, 薬学部, 教授 (40115267)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
1999年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1998年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | 重油 / 流出事故 / 油汚染 / 海洋汚染 / 土壌汚染 / 多環境芳香族炭化水素 / 変異原性 / 内分泌撹乱作用 / 多環芳香族炭化水素 |
研究概要 |
1997年1月、島根県沖の日本海においてロシア船籍のタンカー「ナホトカ号」から重油が流出する事故が発生し、日本海沿岸の広い地域が漂着重油で汚染された。本研究では、重油流出事故に伴う北陸沿岸の影響調査と復元状況を明らかにすることを目的として、「ナホトカ号」重油流出事故2年後までの石川県内の重油残留調査と残留重油中多環芳香族炭化水素(PAH)濃度と変異原性並びに重油の内分泌撹乱作用、について研究し以下の成果を挙げた。1)「ナホトカ号」重油流出事故から1年後および2年後の石川県内における漂着重油の残存状況を調査したところ、能登地方には多くの海岸で重油が残存しており、年月の経過と共にともに汚染の程度は低減しているものの、事故から2年以上が経過しても能登地方では未だに重い汚染が続いていることが明らかになった。2)重油残存地点は、地形が険しく人目につきにくい岩・礫・石で構成される海岸が多く、これらの海岸では、重油漂着時に重油回収作業がほとんど行われなかったこと、自然浄化効果が小さいこと、などが考えられた。3)漂着重油中のPAH濃度は、3〜6環の化合物では著しい変化はなく、半年後の夏から減少する傾向が見られたが、事故後1年においてもナホトカ号重油中濃度の1/2以上であった。4)残存重油の間接変異原性では、事故後1年の試料の変位原性は事故直後の試料の変異原性に比べて4/5程度であり、概ねPAH濃度の違いと対応した。5)重油は抗エストロゲン作用を示し、その作用の一部はPAHに基づくことが明らかとなった。
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