研究概要 |
1,薬物代謝酵素CYP2C19の遺伝多型の検出には既報に従いPCR-RFLP法を用い,^★2の検出にはSmal遺伝子切断酵素を,^★3の検出にはBamHl遺伝子切断酵素を用い,ゲル電機泳動法により分離することで^★1,^★2,^★3の遺伝子型の決定法を確立した。 2,十分なインフォームドコンセントを行った109名の健常ボランティアにおいて,父母,祖父母までの家計を調査し,出身地域による遺伝子持牲を分類するため,東北地方出身者に荷重1を与え,それ以外の出身者には荷重0を与え,父母,祖父母の荷重の合計を被験者の荷重値として地域特性を評価した。 3,109名の健常ボランティアより血液10mlを採取し,白血球よりDNAを抽出し,先に確立した遺伝多型検出法によりCYP2C19遺伝子型を決定した。 4,CYP2C19遺伝子型と地域特性荷重値との相関を検討したところ,地域特性荷重値が0の被験者は49名,6の被験者は47名,その他13名であった。荷重値0の遺伝子発現型においては,^★1 ^★1が40%,^★1^★2が28%であったのに対し,荷重値6では,^★1^★ 1が21%であり,^★1 ^★2が45%と地域によりCYP2C19遺伝子発現型の分布に差異が見られた。 4,これまでの人種別CYP2C19遺伝子発現型の調査を詳細に検討してみた結果,モンゴロイドの中でも^★1 ^★1と^★1^★2の比率が約40%対20%を示す大陸型と,約20%対40%を示すポリネシアン型が存在することが判明した。今回の我々の結果から,日本人の中でもCYP2C19の発現において,大陸型とポリネシアン型が存在することが明らがであり,日本人のルーツを探るうえでも興味ある結果が得られた。
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