研究課題/領域番号 |
10672149
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
応用薬理学・医療系薬学
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研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
大橋 京一 浜松医科大学, 医学部, 教授 (20137714)
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研究分担者 |
小菅 和仁 浜松医科大学, 医学部, 助手 (00283375)
古田 隆久 浜松医科大学, 医学部, 助手 (10303546)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1999年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1998年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | CYP2C19 / プロトンポンプ阻害薬 / omeprazole / Helicobacter pylori / 胃内pH / 遺伝子多型 |
研究概要 |
CYP2C19には遺伝子多型が認められており、poor metabolizer(PM)が日本人では約15-20%と、欧米の2-4%に比較し、10倍程度その頻度は大である。このため、CYP2C19遺伝子多型情報の臨床的有用性について検討するのが本研究の目的である。プロトンボンプ阻害薬のomeprazole(OPZ)はCYP2C19の基質であり、H.pyloriは除菌治療の中心薬剤である。本研究は、全て浜松医科大学倫理委員会の承認のもと、文書同意を得て実施した。 研究1:PCR-法によりCYP2C19genotypingを行った16名の健常志願者を対象とした。OPZ20mgを早朝空腹時に1回経口投与し、24時間胃内pHモニタリングにより胃酸分泌抑制作用を検討した。また、血中OPZ及びその代謝物濃度、血清gastrin値についても経時的に測定した。胃内pHはOPZ投与後PM群で、著しい上昇が認められ、hetEM群、homEM群の順に胃酸分泌抑制作用を認めた。血清gastrin値も同様にPM群で有意の上昇を認めた。血中opz濃度はPM群、hetEM群、homEM群の順に高値を示し、血中OPZ濃度一時間曲線下面積(AUC)とOPZ投与後の平均胃内pH直とは有意の相関を示した。本研究よりOPZの薬物動態及び薬力学は遺伝子多型に依存することが認められた。 研究2:H.pylori除菌に対するCYP2C19遺伝子多型の有用性について検討した。対象はH.pylori陽性でH.pylori除菌が治療上有効であると考えられた上部消化管潰瘍患者62名(PM群=9名、hetEM群=25名、homEM群=28名)である。0PZ20mgを胃潰瘍では8週間にわたり、十二指腸潰瘍では6週間にわたり投与し、同時にamoxicillin2000mg/日を2週間にわたり投与した。治療終了後に尿素呼気試験等によりH.pyloriの除菌判定を行った。結果はPM群では100%の除菌率に達したが、hetEM群では60.0%、homEM群では28.6%とOPZとamoxicillinの除菌結果は明らかにCYP2C19遺伝子多型に依存していた。この機序は遺伝子多型に従ってOPZの血中濃度の上昇が起こり、著明な胃酸分泌抑制作用によると考えられた。 これらよりCYP2C19遺伝子多型情報をもとに安全性、経済性に優れたH.pylori除菌効果の高いPPIの投与計画を決定することが可能である。
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