研究課題/領域番号 |
10672150
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
応用薬理学・医療系薬学
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
水口 和生 徳島大学, 医学部・附属病院, 教授 (30284326)
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研究分担者 |
吉栖 正典 徳島大学, 医学部, 助手 (60294667)
清水 英治 徳島大学, 医学部, 講師 (50187449)
芳地 一 徳島大学, 医学部・附属病院, 助教授 (00219156)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
1999年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1998年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
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キーワード | 副腎クロマフィン細胞 / 興奮性細胞 / カルシウム排出 / 高血圧治療薬 |
研究概要 |
カテコールアミンニューロンのモデルである副腎クロマフィン細胞は、絶えず刺激を受け、開口分泌の様式でエピネフリンを放出している。この開口分泌におけるCa^<2+>の必要性については論を異にすることはない。しかしながら、細胞内に上昇したCa^<2+>の動態とくに正常レベルヘの回復過程については何ら知られていない。そこで本研究は、刺激分泌後に惹起されると考えられる細胞からのCa^<2+>の排出機構について検索すると共に、細胞からのCa^<2+>の排出を調節する薬物が従来の高血圧治療薬と異なり新規高血圧治療薬と成りえる可能性を探索するものである。 エンケファリンは、鎮痛作用を有するオピオイドペプチドである。また、カテコールアミンと共に副腎クロマフィン細胞の分泌顆粒内に貯蔵されており、生理的刺激により分泌される。 私達は、培養ウシ副腎クロマフィン細胞を用いて、生理活性物質であるエンケファリンが細胞からのCa^<2+>排出を濃度依存的に惹起することを見い出した。このCa^<2+>排出は、オピオイド受容体を介する現象であった。エンケファリンは、細胞内遊離Ca^<2+>濃度、^<45>Ca^<2+>取り込み及びカテコールアミン分泌に影響しなかった。副腎クロマフィン細胞からのCa^<2+>排出は、セカンドメッセンジャーであるcAMP及びcGMPにより調節される機構が存在する。エンケファリンは、cAMP及びcGMPレベルに影響しなかった。また、エンケファリンによるCa^<2+>排出は細胞外液Na^+濃度に依存していた。 以上の成績からエンケファリンによるCa^<2+>排出は、オピオイド受容体を介しており、Na^+/Ca^<2+>交換機構の関与が示唆された。現在、Ca^<2+>の排出を促進する薬物が新規高血圧治療薬と成りえると考え、その探索に取り組んでいる。
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