研究概要 |
慢性関節リウマチ(RA)患者滑膜中のA型(マクロファージ)様細胞がエンドセリン(ET)とアルカリフォスファターゼ(ALP)を分泌する事を見出してきた。A型様細胞を培養し培養上清中のET1の動態やALPの性状を検討した。後者ではALP3とALP4のhybrid型が疑われた。(IFCC 1996,CCA 1997,Ann Clin Biochem 1998) 今回の研究費により、培養滑膜細胞の形態および培養上清中のサイトカインについて検討した。得られた知見を以下に示す。 1)形態的検討 (1)光学顕微鏡およびサイトメトリーによる検討を行った。その結果、A型系細胞のみならず他系細胞の混入も考えられた。 (2)Al-p染色型ではほとんどの細胞質内に粒状の染色像が認められた。 (3)モノクローナル抗体による検索では、CD13陽性でCD15と11bは弱陽性を示した。 2)培養上清中のサイトカイン測定 A型細胞培養上清中に検出されたサイトカインはMMP-2,IL-6,IL-8およびTFで、他(MMP-1,MMP-9,TIMP1と2,間質コラゲナーゼ、72Kdゲラチナーゼ,CMCSF,TNFα,IL-1β,IL-2,IL-3,IL-4,L-5,IL-10,IL-12,IFα,IFβ,IFγ)は陰性であった。また接着分子として、ICAM-1,ELAM-1,IL-2Rは陰性であった。 これらの産生動態について解析した。
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