研究概要 |
【目的】OKT4エピトープ欠損(ホモ接合体、ヘテロ接合体)リンパ球の抗原提示細胞(単球)を介する、また直後CD3分子の刺激を介する反応について検索を行った。 【材料】OKT4エピトープ欠損症(ホモ接合体2例、ヘテロ接合体2例)およびほぼ年齢の一致した対照例4例を用いた。抗原提示細胞を介する刺激にはPPD(purified protein-derivatives of mycobac-terium tuberculosis)を、またTリンパ球の直接刺激には抗CD3モノクローナル抗体(αCD3mAb)を用いた。 【方法】リンパ球をPHA(1mg/ml),PPD(0.5μg/ml),固相化αCD3mAbにて2日間刺激し、MTT assayにてDNA合成を検索した。また、PPDおよびαCD3mAb刺激リンパ球についてIL-2,IFNーγ,IL-4,IL-5mRNAの発現をRT-PCTにて検索した。 【結果】PHA,PPD,αCD3mAb刺激によるDNA合成にホモ接合体、ヘテロ接合体ともに、対照例との間に差は認めなかった。また、IL-2,IFN-γ,IL-4,IL-5mRNAの発現にも差は見られなかった。 【結論】OKT4エピトープ欠損リンパ球は抗原提示細胞からの刺激に対しても(T-cell receptor/CD3分子)、CD3分子の直接刺激に対しても、正常者リンパ球と変わりなく反応する。そして、それらの反応に対し種々のサイトカインを産生する。したがって、検索を行った限りでは、機能異常は見い出せない。
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