研究課題/領域番号 |
10672186
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
病態検査学
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
宮地 勇人 東海大学, 医学部, 助教授 (20174196)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1999年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1998年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 白血病細胞 / 抗腫瘍剤耐性 / 遺伝子変異 / 遺伝子不安定性 / 多剤耐性 |
研究概要 |
白血病細胞における抗腫瘍剤耐性の遺伝子診断には、耐性の分子機構の解明が重要である。抗腫瘍剤耐性の分子機構の背景にある細胞側因子を知るため、本研究では、株化培養白血病細胞MOLT-3から葉酸拮抗剤trimetrexate(TMQ)に耐性の細胞を作製、マイクロサテライト不安定性をクローナル解析し、耐性遺伝子変異との関係から、耐性機構における遺伝子不安定性の意議を考察した。TMQ耐性のMOLT-3細胞を作製する際、ヌクレオチド不均衡をもたらす過剰なチミジン(10μM)供給の有無の耐性機構への影響を調べた。TMQ耐性MOLT-3細胞からメチルセルロース培養にて作製した全ての耐性細胞亜株にジヒドロ葉酸還元酵素(DHFR)遺伝子のコドン31の点変異(TTC→TCC)が検出された。MDR1mRNA発現は、DHFRコドン31の点変異に続いて起こり、両者で異なる発現調節機構が示唆された。マイクロサテライト反復配列(mfd27、mfd41)のPCR解析から、耐性細胞亜株に遺伝子不安定性の存在と、その多剤耐性成立への関与が示唆された。MDR1を介する耐性は、耐性成立後にも流動的で、耐性細胞の選択の原動力として、遺伝子不安定性を背景としてクローン性増殖が示唆された。これら耐性細胞は、臨床的耐性の良いモデルとなると考えられる。マイクロサテライト反復配列の高頻度変異の原因となるDNA修復システムとして、hMLH1およびhMSH2についてモノクローナル抗体を用いた組織免疫学的検討およびPCRによる遺伝子解析を行った結果、欠失や変異は明らかでなかった。これら耐性細胞における遺伝子不安定性や抗腫瘍剤耐性の分子機構は、耐性の遺伝子診断に必要な遺伝子レベルの指標を提供すると考えられる。
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