配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2000年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1999年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1998年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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研究概要 |
我々はwild typeのヒト血清コリンエステラーゼ(ChE)cDNAを組み込んだpRc/CMVベクターDNAを大腸菌に導入し、コドン330におけるLeuへのL330I、ValへのL330V、SerへのL330S変異体を作成し、それらの組み換え体を確立した。発現ChEはヒト胎児腎臓細胞(293;American Culture Collection CRL 1573)を用いて確認した。Wild体発現ChE(rUU)は正常血清のそれと、変異発現ChE(r330I)はL330I変異のホモ接合体の血清中の性状とほぼ同様であった。基質としてPropionylthiocholine iodide(PTCI),Acetylthiocholine iodide,Butylylthiocholine iodideを用いて動力学的性状を解析し、その性状はF2変異に類似しているが少し弱く、PTCIを基質とした場合に最も顕著にこのF型変異の性状が検出できることを報告した。またr330I,r330V,r330SのChE活性はrUUの48,36,65%であり、DNは92,94,88%,FNは86,89,89%といずれもrUUに比し低下していた。以上の結果からコドン330のロイシンは活性発現及び阻害剤耐性に関与する重要なアミノ酸であることが示された。 本研究によりコドン330におけるTTAからATAという一塩基置換が活性の低下・ジブカイン耐性・フッ化ソーダ耐性というF型の表現型を示す原因であることを証明した。従来欧米でFluoride耐性変異はそのDNA変異の違いでによりF1(T243M),F2(G390V)の2種が報告されていたが、我々の報告したL330I変異は日本に特有なF3変異として国際的に認められるようになった。
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