研究課題/領域番号 |
10672215
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
基礎・地域看護学
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
平野 憲子 札幌医科大学, 保健医療学部, 講師 (50295367)
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研究分担者 |
和泉 比佐子 札幌医科大学, 保健医療学部, 助手 (60295368)
加藤 欣子 札幌医科大学, 保健医療学部, 講師
佐伯 和子 札幌医科大学, 保健医療学部, 助教授 (20264541)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
1999年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1998年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | 痴呆性老人 / 発症初期 / 配偶者 / 夫婦関係 / 疾病認識 / 在宅ケアサービス / 痴呆症老人 |
研究概要 |
痴呆性老人のケアにおいて、介護負担や在宅生活継続破綻に要因が介護者の認識やサポートの不備にあるという指摘が見られる。混乱を招くことの多い痴呆性疾患発症初期において介護する介護者の、特に配偶者の認識をとおして家族の初期対応やサポートニーズを明らかにした。対象は研究の協力を得られた妻8名、夫が3名の11名である。研究の倫理的配慮をした上で介護者に半構成面接をし、面接内容をデータとして質的に分析をした。 結果と考察 : 1)介護者の気づき : 気づきには極初期的段階から確定的段階がみられ、受診までの期間は病型により違いが見られた。 2)配偶者が罹患したことの認識 : 介護者は予想もしない運命等と認識し、また老後の生活を不安に陥れられた等と認識していた。 3)痴呆性疾患に着いての認識 : 「厭な病気」 「徘徊する病期」 「不可解な病期」 等と認識し、 4)罹患した配偶者に対する認識 : 苦痛を感じる存在の認識と共に、伴侶として在宅生活を継続したい存在という認識が見られた。 5)介護者としての認識 : 夫婦としての生活を再評価しつつ介護について覚悟をし、子供には託せず夫婦役割とせて介護役割を引き受ける認識が見られた。 6)介護者の対処行動 : 受診後、介護者なりの情報収集と「治療」を行っていたが、次第に夫婦としての情緒的関係性を大事にした意識的なケアが見られた。そして、子供や親族のサポートを期待せず、保健や福祉の多様なサポートを得、そのサービスの関係者との接点を持っていた。 7)デイサービス利用の認識 : 閉鎖的な夫婦生活にはない外部的刺激を求め、介護者の負担軽減ばかりでなく罹患した配偶者にとって肯定的影響をもたらすメリットの存在が利用に認識がみられていた。 結論 : 発症初期において介護者には痴呆性老人のケアに影響する様々な認識が見られた。家族の初期のサポートには、一般に、問題行動に対応するケア技術等に向けられがちだが、介護者の様々な認識を理解し、介護者の特性を十分理解した心理的サポートの充実が求められることを示唆した。
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