研究課題/領域番号 |
10672230
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
臨床看護学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
佐藤 洋子 北海道大学, 医療技術短期大学部, 助教授 (90162502)
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研究分担者 |
良村 貞子 旭川医科大学, 医学部看護学科, 教授 (10182817)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
1999年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1998年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | インフォームド・コンセント / 自己決定 / 説明と同意 / オリエンテーション / 子どもの権利 / 子供の権利 / 小児の権利 |
研究概要 |
小児が受ける医療は、その大部分が保護者によって意思決定される。小児自身に提供される情報は、保護者の了解を前提として、患児の年齢、発達段階、治療処置やケアの内容を考慮し、 医療従事者側によって選択、実施される。しかし、小児自身の情報に関するニーズや医療者による情報提供状況の実態について報告されたものはない。そこで、我々は、わが国の小児看護領域におけるインフォームド・コンセント(以下IC)の実態につき、1.医学文献レヴュー、2.質問紙によるオリエンテーションの実施調査、3.面接法による慢性疾患患者に対するICの実施状況についての聞き取り調査、を実施し、以下の結果を得た。 1. 医学文献レヴューによるIC動向 (1)わが国にICに関する看護文献は1990年以降急増した。(2)看護文献の内容は、癌患者に対するICおよび告知、lCにおける看護婦の役割関する文献が多く、告知とICを同意に用いている文献が多数みられた。(3)小児看護に関する文献は、看護過程および看護行為に関する文献はきわめて少数であった。 2.オリエンテーションの実施状況 (1)入院、処置、手術等に関する小児自身へのオリエンテーションは、広く浸透していた。オリエンテーションの実施者は、目的 別に担当看護婦だけでなく、医師などの異なった専門職も加わっていた。(2)オリエンテーションの目的は、入院・処置・手術等 において、小児が安全・安楽に経過するために協力を得ることや、心理的準備を図ることなどが多かった。対象となる小児の年齢、実施する時期はオリエンテーションの目的により幾つかの傾向が示された。(3)オリエンテーションは口頭で行なわれる場合が多く、使用しているパンフレットや絵本等は成人や保護者向けの者が多く、小児の年齢・理解力に応じた視聴覚物品を用意、工夫している病棟は少なかった。 3.慢性疾患患者に対するICの実施状況 (1)発症時に病名、病態、治療などに関して小児自身に対するICは行われていなかった。(2)血糖測定、インシュリン注射、尿糖検査、食事療法等のIDDMの生活管理について、発症年齢に関わらず、年少時から説明、指導が実施されていた。(3)ICに際して医療者に要望する内容は、年齢や個別性により説明内容や方法等個人のニ―ズに合わせた方法の選択に関するものであった。 以上より、わが国の小児医療において小児を対象としたオリエンテーションは広く普及していることが明らかとなった。しかし、小児の発達や理解力に応じた資料や方法は十分に整備されておらず、情報提供に関する看護上の工夫を要すると考えられる。
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