研究課題/領域番号 |
10672242
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
臨床看護学
|
研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
寺尾 紀子 徳島大学, 医療技術短期大学部, 教授 (90217414)
|
研究分担者 |
吉永 純子 徳島大学, 医療技術短期大学部, 助教授 (30227425)
安岡 劭 徳島大学, 医療技術短期大学部, 教授 (30035414)
|
研究期間 (年度) |
1998 – 2000
|
研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
|
配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2000年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1999年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1998年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
|
キーワード | 新生児気道吸引液 / 早産 / SP-A / 新生児呼吸窮迫症候群 / BLF / BALF / プロテアーゼ / S-IgA / 肺サーファクタント / 低出生体重児 / s-IgA / 新生児 / 気道吸引液 / 肺表面活性物質 / 生化学的分析 |
研究概要 |
我々は新生児や妊産婦の感染防御の有効な予防法や看護を開発していくための基礎的研究として、1)新生児の気道-肺胞系の疾患の病態の解析や臨床診断、2)新生児と母体の生体防御機構の差異の解明のために、新生児側からは分娩直後に気道確保のために採取されている吸引羊水(以下、新生児気道吸引液という)と、母体側からは産後の初乳、の二つの検体を生化学的、免疫学的に分析した。正常新生児の気道吸引液には気道・肺胞成分の両者を含んでいるが、その組成はより、気道成分に近いことが示唆された。また、正常新生児と病的新生児、特に、呼吸急迫症候群児を含めて肺表面活性物質の代表的な肺サーファクタント(SP-A)等を分析し、新生児の健康状態とSP-Aレベルとの関係をみた。 共同研究者である安岡らが成人のヒト気道液中に見出したヒト気道トリプシン様プロテアーゼ(HAT)の生理・病的作用の意義や遺伝子解析を行っている。新生児気道吸引液(NAA)中にHATが存在するか否か検討した。ゲル濾過の分画で分子量がHATに近いこと、トリプシン様酵素の2つのプロテアーゼの存在を示すことが推定され、NAAにHATが含まれていることが示唆された。しかし、母体側の初乳中にはHATは含まれていなかった。一方、気道局所から分泌される分泌系IgAは、成人の気管支肺胞洗浄液成分と気管支洗浄液に比して、わずかであるが新生児気道吸引液に含まれていることが示唆され、新生児の唾液及び初乳中の分泌型IgA、ラクトフェリンなどの液性生体防御成分は経日的変化を示した。本研究期間では、主に新生児気道吸引液中の生理活性物質を分析した。これらの結果からNAAは臨床診断に役立つ検体と考えられ、新生児は出生時から感染防御物質は未発達であるが、感染防御機構を備えていると考えられる。今後、新生児時期の呼吸器の感染防御機構の発達の程度と母子間の感染防御機構の関連性を明らかにしてゆきたい。
|