研究課題/領域番号 |
10672257
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
臨床看護学
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研究機関 | 天使大学 (2000-2001) 天使女子短期大学 (1998-1999) |
研究代表者 |
渡辺 由加利 (2000-2001) 天使大学, 看護栄養学部看護学科, 講師 (10310088)
茎津 智子 (1998-1999) 天使女子短期大学, 衛生看護学科, 講師 (10177975)
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研究分担者 |
正岡 経子 天使大学, 看護栄養学部看護学科, 助手 (30326615)
井上 由紀子 天使大学, 看護栄養学部看護学科, 助手 (00320557)
松島 陽子 (青野 陽子) 天使女子短期大学, 専攻科, 助手 (70312171)
渡辺 由加利 天使女子短期大学, 専攻科, 講師 (10310088)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2001年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
2000年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1999年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
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キーワード | 夫婦 / 夫婦の相互作用 / 妊娠 / 出産 / 質的帰納的研究 / 妊娠体験 / 質的研究 / 妊娠・出産 / 女性のライフサイクル / 夫 / 妻 / 質的分析 |
研究概要 |
わが国においてはこれまで夫婦を対象とし妊娠・出産という時間的経過の中で縦断的に検討しているものは少なかった。そこで、夫婦が、妊娠・出産という出来事を通してどのように感じ、考え、行動しているかを妊娠・出産の時間的経過から明らかにすることを目的に調査を行った。調査は、質的帰納的研究方法による縦断的調査である。夫婦同席での半構成的面接法にて実施し、面接の実施時期は、妊娠前期(妊娠12週前後)、妊娠末期(妊娠35週前後)、出産後(産褥1週間以内)の3回であった。対象者は、今回の妊娠が始めての夫婦4組である。 分析結果は、妊娠前期は8カテゴリー、妊娠末期8カテゴリー、出産後7カテゴリーが抽出された。各時期の抽出されたカテゴリーの特徴は、妊娠前期は、妊娠への喜び、戸惑い、体調の変化などの思いと同時に、夫婦で子どものことを想像するなどの会話が多くなる、夫は妻を気遣い、サポートするという特徴があった。妊娠末期は、妻の夫共に妊娠を通しての出来事を共有したい思いや夫がそれに答える形での夫婦の相互作用などが特徴的であった。出産後は、夫婦共に「我が子の誕生の喜びやいとおしさ」というカテゴリーが全体の中で占める割合が多く特徴的であった。この思いを支えるのは夫から妻への気遣い、配慮、それらが妻の出産時の不安を少なくするものであったり、心強さであったりという相互作用が出産を二人にとっての共同作業ともいうべきものとし、これからの育児や3人での新たな生活への準備となっていることがカテゴリー間の関連として考えられた。 これら妊娠の各時期を通して妻は妊娠や出産による心身の辛さとともに喜びを体験している。これらは、夫の妻への気遣いにより、妻が心理的な満足感が得られている影響が大きいと考えられた。夫もまた、妻の妊娠によって日常生活への負担感は増すが、親になる喜びと妻からの感謝の気持ちによって支えられていると考えられた。妊娠・出産は、夫婦の相互作用を育む機会となり、親になるという夫婦の共同の作業により、妻、夫お互いの理解を深めていくこととなっていた。このことが夫と妻の満足感や一体感を生み出し、子どもへの愛着につながっていくことが考えられた。
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