平成11年度研究課題:剣道具(突き垂・顎垂)の形状および構造の安全規格値作成のための基礎的実験研究 1.目的:前年度の突きの衝撃力の測定実験結果を踏まえて、面部の突き垂および顎垂の材質や形状さらには相互の位置関係などによる緩衝性能の相違を明らかにし、より安全性の高い剣道具の開発を行うと同時に安全性の観点からの規格値を作成する基礎的資料を収集したものである。 2.方法:自製の突き力測定装置(キスラー社製3分力ロードワツシャー形式9067を使用)を使用し、突き力発生試験機を改良し、前年度成果より成人剣道選手の平均的水平分力(150kgf)と同じ条件で突き力を発生させ、一般的に普及されている合計9種類の面材料を対象とし、その材料や突き垂と顎垂の間隔、突き垂形状、突き垂の突く位置などの相違による緩衝性能について実験的に検討を行った。 3.結果: (1)突き垂と喉までの間隔が突きの緩衝性能を高めていることが明らかになった。 (2)突き垂の部位の突く位置により緩衝性能は異なり、中央より下部での緩衝性能はかなり劣ることが明らかとなった。 (3)突き垂の厚みと硬さが突きの緩衝性を高めていることが明らかとなった。但し、突き垂の表面形状が丸みを帯びている場合には、滑って顎垂もしくは喉元に力が直接的に作用することが明らかとなった。 (4)突き垂・顎垂の形状及び芯材の種類やその構成、さらには突き垂と顎垂れの位置関係が緩衝性能に及ぼす影響については今後詳細な検討を行う必要がある。
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