研究課題/領域番号 |
10680152
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
食生活
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研究機関 | 椙山女学園大学 |
研究代表者 |
江崎 秀男 椙山女学園大学, 生活科学部, 助教授 (90097642)
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研究分担者 |
大澤 俊彦 名古屋大学, 農学部, 教授 (00115536)
川岸 舜朗 椙山女学園大学, 生活科学部, 教授 (50023445)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
1999年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1998年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
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キーワード | 抗酸化物質 / 8-ヒドロキシダイゼイン / 8-ヒドロキシゲニステイン / 6-ヒドロキシダイゼイン / 大豆発酵食品 / 味噌 / 醤油 / 麹 / Aspergillus属 |
研究概要 |
豆味噌醸造メーカーより味噌玉麹を入手して抗酸化物質の検索を行い、8-ヒドロキシダイゼイン(8-OHD)、8-ヒドロキシゲニステイン(8-OHG)を主要な活性物質として単離・同定した。また、新たに6-ヒドロキシダイゼイン(6-OHD)を同定した。これらのオルトジヒドロキシイソフラボン(ODI)はリポソームを用いた抗酸化試験法でダイゼインやゲニステインより有意に強い抗酸化性を示した。ODIは製麹工程において胞子形成とともに生成し、他の醸造メーカーの豆味噌用の麹、また醤油やたまり用の麹中にも十分に存在した。また、これらのODIは試作豆味噌において熟成を終えた後も製品中に十分残存することを明らかにした。他方、ODIは原料大豆に直接に麹菌を接種した豆味噌、たまり、醤油、濱納豆においてはいずれもその抗酸化性に寄与する十分量が存在した。しかし、米麹を用いた米味噌や小麦を主原料とした白醤油中にはほとんど検出されなかった。また、これらのODIは味噌や醤油を100℃で30分間加熱したり、20℃で90日間保蔵してもほとんど分解されなかった。以上の結果より、8-OHD、8-OHGおよび6-OHDは、これら大豆発酵食品の長期にわたる発酵・熟成過程、また保蔵期間においても、脂質の酸化や各種栄養成分の酸化的劣化を抑制するのに大いに貢献していると推察された。他方、ODI含量の高い4日麹を用いて仕込みを行った豆味噌のODI含量およびその抗酸化性は、ともに通常の2日麹を使用した味噌より高い値を示した。ODIを含む大豆麹は原料大豆より高い脂質安定性を示した。また、この麹のもつ抗酸化性はクッキー中においても十分に発揮された。現在、これらのODIを含めたイソフラボン類のアポトーシス誘導について研究を進めている。
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