研究課題/領域番号 |
10680153
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
食生活
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研究機関 | 同志社女子大学 |
研究代表者 |
森田 潤司 同志社女子大学, 生活科学部, 教授 (40115952)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2000年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1999年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1998年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | アミノカルボニル反応 / ペプチド / 活性酸素 / 核酸 / 褐変 / 化学発光 / みりん / 活性酵素 / オリゴ糖 |
研究概要 |
アミノカルボニル反応は食品の加熱・醗酵・熟成・保蔵中に起こる着色(褐変)やフレーバー形成に関わる反応で、食品の品質と密接に結びついている。この反応の反応機構解明と反応制御(抑制)法を探ることが本研究の目的である。 (1)ペプチドのアミノカルボニル反応の反応性は、トリペプチド>ジペプチド>アミノ酸の順であった。N末端アミノ酸が同じジペプチドでもC末端アミノ酸残基の反応性に依存した。ペプチドからの着色色素の色調は、アミノ酸からの着色色素の色調より、暗色であった。 (2)二糖類のアミノカルボニル反応における反応性は還元末端側の糖の開環割合に依存すること、その開環割合は非還元末端側の糖の結合部位によって影響されることが明らかとなった。 (3)グルコ二糖類の核酸(デオキシグアニル酸)とのアミノカルボニル反応における反応性は、アミノ酸に対する反応性傾向と同じであった。 (4)アミノカルボニル反応は遷移金属イオンで促進され、SOD、カタラーゼの添加やキレート化合物の添加で部分的に阻害された。また、糖自動酸化による活性酸素(過酸化水素・水酸ラジカル)生成量とアミノカルボニル反応による着色(褐変)度ほぼ相関した。以上のようにアミノカルボニル反応過程への活性酸素の関与は明らかとなった。 (5)みりん中の化学発光量は保蔵中に着色(褐変)に先立って増加し、加温・光照射下では発光量は多くなった。化学発光量はみりん着色(褐変)予想指標として利用可能である。 (6)着色(褐変)抑制や色調改善には、ジペプチドやトリペプチドをより反応性の低いアミノ酸にまで酵素などで分解すること、および反応性の高いアミノ酸や暗い色調の色素を生成するアミノ酸(グルタミン酸やアスパラギン酸)を適当な方法で減らすこと、還元性二糖類を非還元糖に転換すること、遷移金属イオンなど酸化促進因子を除去することなどが考えられる。
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