研究概要 |
生活習慣病は,食事・運動・喫煙などの生活習慣がその発生,進展に関与する。特に食事の影響は大きく,高たんぱく,高脂肪などの食習慣が高脂血症,糖尿病,脳血管疾患などの発生頻度を著しく増大させている。生活習慣病予防にとって栄養教育はもっとも基本的な取り組みであり、本研究では生活習慣病のための効果的栄養教育の方法と実践・評価について,実証的な観点から検討した。栄養教育を行なうにあたり、食物の適正摂取を推進するためには,被教育者の食物摂取上の問題点を適確かつ速やかに捉えて,受け入れやすい情報を提供するための簡便にして精度の高い食事調査が必要である。本研究では、食事調査を重視し、生活習慣病予防のための栄養教育効果を測定することを目的に、65食品リストからなる食物摂取頻度調査票(FFQ65)を開発し、その妥当性と再現性の検討を行なった。 一方、生活習慣病予防のための効果的栄養教育の実践方法は、研究デザインを確立し、これに基づく食物摂取頻度調査票(FFQW65)回答詰果から、栄養教育効果を評価するための分析ソフトを開発、および回答結果に対応する栄養教育マニニァルの作成を完了した。 対象を、介入群と非介入群に無作為に割付け、栄養教育群(介入)にはFFQW65の回答分析結果に基づき栄養教育マニュアルにより教育を開始した。この評価に関しては、血糖値およびFFQW65に基づく食物摂取状況を指標として、従来の教育群(非介入)との対比により行い、栄養教育実践方法のモデル化についてさらに今後検討する必要がある。
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