研究概要 |
本研究では,プログラミング学習に習熟させるために,電子化されたノート,教科書および問題集を利用できる学習環境を開発した.学習者が個人の電子ノートを利用できる学習システムを「プログラミングノート」と呼ぶ.プログラミングノートのウィンドウには,プログラムの編集,エラーメッセージの表示,考察文の表示のための3つの領域がある。さらに,電子教科書の参照ボタンのように数個の機能ボタンがあり,初心者のプログラミング学習には使いやすいシステムである。 この学習システムの特徴は次の通りである.(1)学習プロセスが自動的に個人ファイルに残る.(2)学習者は,学習システムに記録された誤りから学ぶことができる.(3)指導者は,履歴データをプログラミング教育に活用できる. この学習システムを高等専門学校のCプログラミング教育および電子教科書を大学工学部の教育で利用して,学習システムの有効性を明らかした.また,この学習環境では,学生の学習履歴はイントラネットのファイルサーバに蓄積されているが,これらの学習履歴の情報をデータベースサーバに登録し,Webサーバで閲覧できるような非同期学習環境を設計した. 具体的な研究成果をまとめると,以下のとおりである. (1)プログラミングノートの学習システムを開発し,学習者の誤りとエラーメッセージの関係を明らかにし,アンケートや学習履歴データから,プログラミングノートの有効性を確認した. (2)学習者の誤りに対する考察や助言などを検索できるシステムを開発した. (3)学習者の考察,助言などの学習履歴をデータベース化し,それらを利用した非同期の学習環境を提案した. (4)電子教科書を利用した教育を高等専門学校や大学工学部で行い,電子教科書のの有効性を確認した (5)Web上で問題集が自動作成されるシステムを開発し,電子問題集(ドリル型Web-CAI)による教育を提案した.
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