研究概要 |
アメリカにおける新しいフィットネス教育について、その背景、理念、プログラムについて検討した結果、以下のことが明らかになった。 1.1980年代以降、国民のフィットネスに対する学校体育の役割が強く認識されるようになり、教科体育ではフィットネス目標が重視される傾向にある。1995年にNASPEにより作成された体育の全国基準では、フィットネスに関わる項目にかなりの力点が置かれている。 2.健康・フィットネス問題は重大な国家的課題として認識されている。数次にわたる厚生省長官報告書や関連学術組織からの勧告は、これらの課題に対する学校体育の積極的な役割を求めるものであった。 3.新しいフィットネス教育プログラムは、HELP(Health,Everyone,Lifetime,Personal)原理と呼ばれる理念が特徴的である。過去の体力づくりプログラムと比較すると、スポーツパフォーマンス志向から健康志向へ、短期的なフィットネスレベルの向上から生涯にわたる自立的な身体活動実践へという特徴を備えている。 4.新しいフィットネス教育プログラムとして、(1)「フィットネス フォア ライフ」などの中・高校生を対象としたフィットネスの概念学習、(2)「SPARK」や「CATCH」など知識学習と運動を組み合わせた小学生対象の健康関連体育、(3)「フィジカルベスト」や「フィットネスグラム」などフィットネステストを中心にしたプログラム などが開発されている。
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