研究概要 |
「科学的に探求する能力と態度を育てる総合化学実験カリキュラムの試行」の研究課題として2年間で以下の4種の研究テーマで現職教員(院生)と教師を目指す学生および高校生を対象に一つの実験試料を用いて複数分野の実験を効果的に組み合わせ一体化させ,限られた授業時間(単位数)内に「疑問・驚き→実験・実習→考察・事実の発見」という探求活動の過程を体験しながら教科横断的・総合的に自ら物質の本質を理解,習得できる様に配慮した総合的な化学実験(コンピューター活用を含む)カリキュラムの開発実践を推進し,多くの研究成果をあげた。 1)フェノールフタレイン関連化合物を用いた総合化学実験プログラムの試行 6段階の実験方法(合成:アセチル化・メチル化:反応速度:錯体生成)を用いた総合化学実験プログラムの開発し,本学3年次生の化学実験で実施した。現在,論文投稿準備中である。 2)茶葉を用いた総合化学実験プログラムの試行 4段階の実験方法(カフェインとタンニンの抽出・同定;構造決定;化学反応;カフェインに関する情報収集)を用いた総合化学実験プログラムの開発をし,本学3年次生の化学実験で実施した。この研究成果は,化学と教育(日本化学会)47巻6号P412〜415(1999年)掲載している。 3)タマネギの外皮を用いた総合化学実験プログラムの試行 6段階の実験方法(概要;抽出・同定;構造決定;化学反応;染色法)を用いた総合化学実験プログラムの開発をし,本学3年次生の化学実験で実施後,改良して東京都立成瀬高等学校の3年生(化学選択)に実施した(3日間)。本化学実験プログラムは,高校現場でも限られた授業時間内に探求活動の過程を体験しながら科学的に新しい概念を理解・習得し,化学的基礎事項の確認,実験操作の習得などができる化学実験プログラムであることを実証することができた。現在,論文投稿準備中である。 4)藍(すくも)を用いた総合化学実験プログラムの試行 6段階の実験方法(概要;抽出・同定;構造決定;化学反応;染色法;インジゴに関する情報収集)を用いた総合化学実験プログラムの開発をし,本学3年次生および大学院生の化学実験で実施した。一部日本化学会中国四国支部・同九州支部合同大会,P49(平成11年10月)に発表した。 現在,日本化学会誌「化学と教育」に投稿中である。
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