研究概要 |
次の5つのトピックスに重点的に取り組んだ。1)多変量データ解析における影響診断の2つの主要な方法論である影響関数法と局所影響法の関係、2)複数観測診断法、3)空間データ解析における影響診断、4)関数データ解析における影響診断、5)種々の多変量解析法における影響診断のための汎用ソフトウェアの開発。1)については、モデルが等式制約を含む場合と含まない場合、すべてのパラメータに関心のある場合と一部のパラメータにしか関心のない場合の組み合わせで決まる4つの場合について、2つの接近法の同値性を証明。具体的には主成分分析と正準相関分析において法曲率およびそれを最大化する方向を導出した(Tanaka & Zhang,Comp.Statist.& Data Anal.,1999ほか)。2)については従来から提案している方法に対して1)の結果からの解釈を追加し、内容の充実をはかった。その成果については、カナダ、バンフで開催された国際研究集会において報告した。また、3)についてはvariogram estimation,variogram model fitting,predictionの3つの段階での影響診断法を提案し、そのうち、variogram estimationにおける影響関数の性能をCressie & Hawkins(1980)の提案したものと比較した(Choi et al.,J.Jap.Soc.Comp.Stat.,2000など)。4)については関数データの主成分分析の影響分析法を提案し、その性能をしらべた(Yamanishi & Tanaka,Proc.Japan-China Symp.,2000など)。影響分析の汎用ソフトウェアとして因子分析(探索的および確認的)、主成分分析(分散共分散に基づく場合と相関行列に基づく場合を含む)の分析を含むプログラムSAMMIFをCOMPSTAT98(1998)、ICMMA国際会議(2000)で報告したが、その後、正準相関分析、グラフィカルモデリングについて検討中である。
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