研究課題/領域番号 |
10680323
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
統計科学
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研究機関 | 統計数理研究所 |
研究代表者 |
江口 真透 統計数理研究所, 統計基礎研究系, 教授 (10168776)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
1999年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1998年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 局所尤度 / 最尤法 / 密度推定 / カーネル関数 / 生存時間解析 |
研究概要 |
局所尤度の概念を統計学へ展開した。これはパラメトリック推測とノンパラメトリック推測を結合させる新しい方法論と云える。今年度は密度推測について、カーネルと尤度関数を合体させた局所尤度関数に基づく推定の詳細な研究を行った。これは各点で推定したい密度を局所尤度法で構成するものである。問題となるのは「バンド幅をどのように決定するか?」である。これに対してリスク関数を交差検証法によって推定することによって、最適なバンド幅を決める方法を考察した。この方法と、従来のパラメトリックな方法とノンパラメトリックなカーネル型推定の密度推定量について比較検討した。局所尤度法はパラメトリックな方法の長所と、ノンパラメトリックな方法の長所を同時に引き出すことに成功した。この研究は、多次元ランダム変数の場合に拡張するように試みられている。特に判別分析の問題について研究された。これはニューラルネットワークスで盛んに研究されている、パタン認識の分野と密接な関連がある。トレーニングデータを学習させ、判別超曲面を構成する方法論である。これを局所尤度法に基づいて構成する研究を展開中である。具体的な方法は、ロジスティック回帰分析を援用した方法を拡張することから開始された。これによって初めに判別超平面が得られ、次に超平面上にトレーニングデータが貢献する尤度が局所的に計算される。この局所尤度関数によって各点の判別超曲面の法ベクトルを求める。この方法によって、線型判別関数を第1近似に持つ非線形判別関数が提案された。 次に生存解析の標準的尤度解析について局所化について考察している。これはCox比例ハザードモデルに情報のあるドロップアウトやエントリーバイアスが無視出来ない状況の観測のために有効に働く。まだ完全な形は得られていないが、松浦正明博士(広島大学原医研)と共同研究の中で被爆者データの解析から局所化のモデル化を討論している。
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