研究課題/領域番号 |
10680326
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
統計科学
|
研究機関 | 統計数理研究所 |
研究代表者 |
種村 正美 統計数理研究所, 調査実験解析研究系, 教授 (80000214)
|
研究期間 (年度) |
1998 – 2000
|
研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
|
配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2000年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1999年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1998年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
|
キーワード | 多結晶ネットワーク / 空間統計学 / MCMC法 / ベイズ推定 / 点配置データ / ボロノイ多面体 / 動的アルゴリズム / パラメトリック推定 / Voronoi分割 |
研究概要 |
従来の「空間統計学」では、集中型の配置(不均質な配置)に関しては、今なおパラメトリックな手法の研究が不十分であった。このような現状を打破するため、本研究では、不均質な配置の例として、ランダムなネットワーク構造から発生したと予想されるようタイプの点配置を考察し、これに対応する空間統計学におけるモデルの構築と、パラメトリックな推定の手法を開発して、シミュレーションデータに適用することによって、モデルと統計手法の有効性を確認することを目的とし、実際の観測データに適用することを最終目標とした。 上述のパラメトリック手法として、次のようなベイズ推定による新しいアプローチを提案した。観測されるデータは、点の位置座標xとし、このデータが多結晶ネットワークの境界(辺)から発生したとするモデルを考え、ネットワークの母点yなどを非観測量とする。さらに、xが発生したネットワーク上の対応点をz[非観測量]として、x=z+εを仮定する。ここで、εは正規分布に従うと仮定する。さらに、母点yから構成されるネットワークとしては、Voronoi分割ネットワークを考える。事前分布から、非観測量を含んだ事後分布を実現するため、Markov Chain Monte Carlo(MCMC)法を用いた。 われわれは2次元のシミュレーション・データに対して上述の手法が実際に有効であることを確認し、この成果を1999年8月カナダで開催された国際会議などで発表した。この研究のために開発した2次元Voronoi多角形分割の動的アルゴリズムのFortranプログラムの公表の準備も行った。 最終年度には、シミュレーションによって作成した3次元データに対して確認することを目指し、3次元の実データの解析を目標とした。3次元のデータ解析のためには、所与の3次元点配置に対して3次元ボロノイ多面体を効率よく構成するための計算機プログラムが不可欠であり、今年度はそのプログラムを実装することから研究を開始した。現在、シミュレーションデータに対する推定手続きを完成し、実データの解析は今後の研究課題とすることとした。本研究を遂行中に、ランダム配置に対するVoronoi領域の統計的性質の解明が重要であることに思い至り、われわれの研究の中でこの点について新しい知見を得ることができた。研究成果の一部について、英文の研究論文として投稿準備中であるが、関連研究については印刷公表した。
|