研究概要 |
・画像に現れる対象物(オブジェクト)を外接長方形(MBR)により近似する.この外接長方形に時間を加えると,オブジェクトは3次元空間中での直方体として捉えることができる.このようにして,両像中のオブジェクトの時間変化を時空間中の直方体の時系列によって表現することができる.本モデルの特徴は,(1)時空間の問い合わせを区間により統一的に記述することができる,(2)位相,方角,距離などの様々な空間的関係が定義され,これらを用いて問い合わせが表現できる,(3)ある特定分野の応用に特化していない,などが挙げられる. ・本モデルを実現するために,商用オブジェクトデータベースシステム上のクラスライブラリとして実装した.このクラスライブラリは,空間クラス,時間クラス,時空間クラスの3つから構成される.これらのクラスには,モデルで定義されている全ての演算,時間的関係,空間的関係がメソッドおよび演算として実装されているので,モデルで可能な表現は全てこれらのクラスライブラリで記述可能である. ・時空間データを効率的に検索するためにR^*-treeに基づいた多次元インデックス構造について研究し,その性能評価をした.多次元インデックスの各軸の正規化や軸の重み付けについてもシミュレーションした.軸の値の分布を最適に配置することや軸の重み付けがアプリケーションに依っては大変効果的であることがわかった.具体例として,天気予報図やCTの医療画像で時空間データベースを構築して,オブジェクトのMBRによる近似やインデックス構成法の有効性を評価した.
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