研究概要 |
探索機能分割型分散遺伝的アルゴリズムの構成法に関し,平成11年度は,平成10年度に引き続き以下のような研究成果をあげた. (1)広域探索/局所探索の両方に有効な交叉オペレータとしてシンプレックス交叉の研究を進めた.この方式は座標系に依存しないため,各種の関数最適化に有効であることを,テスト関数を用いて明らかにした.また同時に理論的な解析を行った. (2)実数値GAでは,グローバル最適解が,探索空間の周辺に存在するときには探索効率が低下する.これは実数値GAで用いられる多くの交叉オペレータに共通する問題である.これさける有効な方法として探索領域を仮想的に拡張する方式:「探索領域拡張法」を提案し,その有効性を示した. (3)上記探索領域拡張法は,制約条件充足問題などへの応用が可能な汎用的手法であり,その可能性も明らかにした. (4)以上の研究により,探索機能分割型分散遺伝的アルゴリズムの構成法を確立した.また,本研究では,従来から研究を続けている,空間分割型遺伝的アルゴリズム(Forking GA)並びにロバスト解探索型遺伝的アルゴリズムの研究も並行して進め,本研究の理論的バックグランドも明らかにすることができた.
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