研究概要 |
コンピュータの性能向上とともに,3次元の形状や動きを扱うアプリケーションが増加している.それに伴い,2次元マウスのような便利な3次元対応のインタフェース装置や身振りによりコマンドを入力できるインタフェースの必要性が増加している. 本研究は,3次元シミュレーションなどのアプリケーションで対象物の操作を容易に操作する入力インタフェースと操作された対象物の6軸の動きを定性的なレベルで記述する事を目的とした. 入力インタフェースとして,球を回転することで3次元の回転運動を人間の直感にあった方法で入力できることに着目し,装置を試作した.試作装置を用いて,3次元運動の基本動作を例にした作業タスクを用いた評価実験で回転球を用いたインタフェースの有効性を確認した. 動きと状況を合わせて解釈する意味的なアプローチで,組立作業の動作の記号レベルでの記述を検討した.動きの時系列データ列に対して,(1)予め作業内容を解析し作成された局所的な接触モデルをもとに動きの変化を定性的に記述する,(2)作業環境を与えることにより,定性的に記述されたデータからその作業環境にあった動きデータを作成するアルゴリズムを検討した. 検討したアルゴリズムは2種類の組立作業に対して,定性的な表現および,その記述からの動きデータを生成し,環境にあった動きを再現することができた.特に,動きの再現にあたっては,シミュレーションに加え実際のロボットによる確認も行い,検討した手法の有効性を確認した.
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