研究概要 |
DEA(Data Envelopment Analysis:経営効率分析法)は, 多入力, 多出力で特徴付けられた民間企業や公共機関のパフォーマンス分析に広く用いられているポピュラーな意思決定手法である. DEAに関するアルゴリズム開発についての研究領域において, 以前に開発されているDEAアルゴリズムは, 単一のコンピュータ上で, 線形計画法のアルゴリズムで解くことをベースにしている. しかし, 単一のコンピューターで作動するアルゴリズムには, 計算の限界(処理可能な事業体数)が存在した. DEAの将来的な発展のためにも, 大規模なDEA問題を処理することを可能にすることが, 必要不可欠であった. 本研究では, 現在の優れたコンピューターテクノロージーの発展を十分に利用したアルゴリズムを開発する. コンピューターネットワークテクノロージーを従来のアルゴリズムへ組み込み, DEAアルゴリズム開発の研究を拡張した. 平成10年からの2年計画の初期の段階で, DEAに関する基礎的研究を行った. 平成11年度には, DEAネットワークコンピューティングを提案し, 東京理科大学の末吉研究室内のIBM型パソコンを相互接続し, LAN(Local Area Network)をつくり, 複数台のパーソナルコンピュータによるクライアント・サーバ環境を構築した. 線形計画法を実際に解析するクライアント, 各クライアントの制御, データベースの機能を備えたサーバをそれぞれ構築した. 大規模なシミュレーションによって, 提案したアルゴリズムの有効性が示されている. それらの研究の中で従来のアルゴリズムでは解析不能な大規模DEA問題に適用でき, 計算処理能力が大きく向上したことが示された.
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