研究課題/領域番号 |
10680450
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
自然災害科学
|
研究機関 | 長岡工業高等専門学校 |
研究代表者 |
佐藤 和秀 長岡工業高等専門学校, 環境都市工学科, 教授 (80113398)
|
研究分担者 |
山口 肇 長岡工業高等専門学校, 環境都市工学科, 教授 (00042747)
畑 勝次 長岡工業高等専門学校, 環境都市工学科, 助教授 (30042758)
|
研究期間 (年度) |
1998 – 1999
|
研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
|
配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1999年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1998年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
|
キーワード | 酸性雪 / acid shock / 融雪 / 酸性物質 / イオン濃度 / pH / イオン分別 |
研究概要 |
1.冬期における積雪のイオン濃度の変動 本州のような暖地積雪ついては冬期でも融雪があり、積雪中の酸性物質がどのような過程で融雪流出していくのか不明である。このような地域でのacid shockの実態を詳細を把握し、積雪中における融雪水の挙動および主要イオンの分別過程等を明らかにするため、積雪の物理的および化学的な解析を行った。その詰果、次のような結論が得られた。 (1)積雪中の硝酸イオン、硫酸イオンは、他のイオンよりも移動が著しく、積雪内より流出しやすい。一方アンモニウムイオンは絶えず積雪内に一定の濃度で存在する。 (2)長岡市では冬期間でも、融雪水が積雪中に絶えず存在し、イオンの積雪内からの流出があるため、北欧や北米のような極端なacid shockは起こりにくいと思われる。 2.水溶液中の主要イオンの重力効果による分別効果実験 北米や北欧では春先の融雪初期に河川や湖沼において、融雪水による生態系への酸性被害(acid shock)が報告されており、その被害程度は酸性雨によるものよりも大きい。その原因は、冬期間、積雪にに蓄積されていた酸性物質が短期間に溶け出すためと考えられている。 野外での観測や融雪模擬実験でも、融雪時の融雪中に含まれるイオンの流出速度がイオンによって差が生じることが確かめられた。その原因を探るため、水溶液中のイオンの質量差、すなわち重力効果によるイオン種の分別・流出過程の違いの有無を調べる実験を行った。精度の問題があるが、主要イオンのうち式量の一番大きい硫酸イオンが、重力効果による傾向と同じ傾向を示した。 今後、本研究で得られた知見を基に、野外では積雪単位層内での挙動と全積雪層の関係を調べる観測を、室内実験では融解再凍結条件を考慮した系統的な実験を行う予定である。
|