研究課題/領域番号 |
10680453
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
プラズマ理工学
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
南 一男 新潟大学, 工学部, 教授 (00023135)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
1999年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1998年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
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キーワード | 液体ヘリウム / 極低温プラズマ / イオン超流動 / シュタルク幅 / 分光測定 / 空間分解測定 / パルス放電 / 針電極 |
研究概要 |
平成10-11年度に科学研究費を受けて、液体ヘリウム中の対向針電極間に高電圧パルス放電を行わせ、アフターグロー期間中における発光の中性線スペクトルの時間的空間的分解計測を行った。すなわち、587.6nmのヘリウム中性線スペクトルのシュタルク幅を測定して、プラズマ密度を求めた。電子顕微鏡用のタングステン針電極(曲率50ミクロン)を使用し、再現性の良いプラズマが得ることが出来るようになった。局在する極低温プラズマの空間的構造を測定するために、精密な3次元光学ベンチを購入して集光レンズを微動させ、光源の焦点を分光器のスリット上に結像させた。このときに、スペクトル線の光量が最大になる。これは理論的には当然であるが、デュワ瓶の4枚のガラス壁など性質の異なる光学的物質が介在しているので、実験的に求めることは、労力を要する作業であった。次に対向電極を水平に配置し、分光器から見た手前方向をx軸とし、垂直上方向をz軸とする。集光レンズ位置を3次元的に0.05mm間隔で微動させて、プラズマ密度の空間分解測定を行った。その結果、次のような実験結果を得た。放電終了後1マイクロ秒に時点で、y軸方向の密度変化が最も急峻で、0.2mmの変位に対して密度が半減した。z軸方向には、変位0.8mmに対して密度が半減した。このことから、プラズマの形状は、対向電極を軸とする偏平な回転楕円体であると推定される。また、光球は時間と共に膨張し、密度は一様に低下する。 以上を要約すると、本実験は、従来研究されることがなかった液体ヘリウム中のパルス放電による局在する極低温プラズマを分光測定により明らかにしつつあり、文献では知られていない新知見を含んでいる。
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