研究課題/領域番号 |
10680463
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
プラズマ理工学
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
田辺 秀二 長崎大学, 工学部, 助教授 (50171814)
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研究分担者 |
興津 健二 長崎大学, 工学部, 助手 (60295095)
松本 泰重 (松本 恭重) 長崎大学, 工学部, 教授 (10039787)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
2000年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1999年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1998年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | プラズマ / スチームリフォーミング / 無声放電 / 水素 / 天然ガス / メタン / 水素製造 |
研究概要 |
今後の水素需要増加にたいし、天然ガスと水蒸気から水素を製造するシステムを構築するため、2種のプラズマ反応器を試作し、その性能を検討した。 ○誘電体バリヤー放電(DBD)プラズマ反応器の試作:石英管の内部に銅製の内部電極を配置したチューブ式プラズマ反応器を試作した。外部電極は、導電性の銅粘着テープを石英ガラス管外部に巻き付けた。反応物は内部電極と石英管の間隙のプラズマゾーンを通過し、反応した。反応物は純メタンと純アルゴンを質量流量コントローラにより所定量混合し、反応器に導入し、生成物はガスクロで分析した。水蒸気は、水槽中にアルゴンを流通させることにより導入した。 ○DBDプラズマ反応器の性能試験:メタン-アルゴンプラズマ反応では、メタンの2量化が主反応で、電極上には炭素種が生成した。水蒸気を導入することで、2量化反応は抑制され、メタンの転化率は低下したが、水素生成量は水蒸気無添加の条件に比べ、増加した。 ○DBDプラズマ反応機構の検討:メタンプラズマ雰囲気を長時間維持すると電極表面に炭素が析出した。この炭素種と水蒸気をプラズマ雰囲気で接触させると、水素と二酸化炭素が生成した。メタンのプラズマスチームリフォーミングの反応生成物は水素と二酸化炭素であり、先の結果から、電極表面の炭素種を経由し、反応が進行すると考えた。 ○パックドベッド(PB)反応器の試作:内径10mmの石英管の両側から放電電極を挿入し、その間に、粒径が16〜32メッシュのチタン酸バリウム焼結体を充填した。電極間距離は10mmとした。 ○PB反応器の性能試験:上述のPB反応器を用い、メタンのスチームリフォーミングを行った。反応条件は、DBDプラズマ反応器と同じとした。PB反応器の定常状態における水素収率は、DBD反応器の5分の1から10分の1となった。 ○今後の検討事項:PB反応器の試験条件は、まだ最適化されておらず、DBD反応器に比べ性能が劣ったが、最適化できれば、性能向上は必至である。効率よい水分解のため、印加電圧の増大は必要で、電極形状を考慮するなどの対策が必要である。また、触媒効果の観点から、充填剤に炭素生成に有利なニッケル、鉄、パラジウムなどの金属触媒を使うことで、性能向上が期待できる。
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