研究概要 |
本研究は,代表者を中心とする理論研究と,分担者三間(大阪大学)を中心とするシミュレーション研究とからなり,いずれも、活発な国際的共同研究により遂行した。 1.理論研究: まず、超臨界密度領域を相対論的効果で定常伝播する高輝度円偏向電磁波の1次元伝播に関する一般論を展開し,特に,各種ソリトン(孤立波)の伝播領域を特定した。次に,短波長レーザーパルスの伝播特性を解析するために,電磁波のスペクトル関数に対する運動論的方程式を導き,相対論的効果を取り入れた電磁波に対する分散関係を導く孝共に,非ポテンシャル型の動重力の存在を示し,それによる低周波磁場と,それに伴う電子流体の渦形成やプラズマジェット形成機構などを明らかにした。 2.シミュレーション研究 まず、不均一プラズマ中のレ-ザーとプラズマの相対論的相互作用に関する2次元シミュレーションを行い,MeVエネルギーの電子やイオンの発生を確認し,その機構解明を行った。またソリトン様構造で密度くぼみに捕捉された電磁波がバースト的に放出すること,更に光電解との共鳴で電子のストキャスティック加速が起こることなどを明らかにした。次に,スケール長の大きい不均一プラズマと超高輝度レーザーパルスとの相互作用に関する2次元及び3次元粒子シミュレーションを行い,自己収束等に伴う光電波路の形成と電子加速,各種不安定性、電流シートの形成と準静的磁場の生成とそのフィラメント状への分解と融合,高速電子流の磁場を横切る異常輸送と帰還電流との電流中和,異常抵抗による背景プラズマの異常加熱などを見出した。
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