研究課題/領域番号 |
10680474
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
核融合学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
渡辺 英雄 九州大学, 応用力学研究所, 助教授 (90212323)
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研究分担者 |
吉田 直亮 九州大学, 応用力学研究所, 教授 (00127317)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1999年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1998年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | 核融合炉材料 / 耐熱材料 / タングステン / ヘリウム / バブル / 接合材料 |
研究概要 |
高純度のモリブデン及びタングステンに対して0.25KeVから8KeVのエネルギーを持つヘリウムイオンを室温から1073Kでの温度範囲で照射実験を行い、内部組織同時観察した結果、タングステンでは、8KeV照射では低照射領域で格子間原子型転位ループが形成されるが照射温度が上昇するに従って数密度が上昇しサイズが低下した。高照射領域ではいずれの温度領域でもバブルが観察された。この様な内部組織の発達と材料の硬さとの相関が得られた。また、ヘリウムバブルが重水素のリテンション特性に与える影響に関する研究を行ない、高純度のタングステンに対して常温で8KeVのHe^+を2x10^<21>He^+/m^2程度照射し、直径2nm程度の高密度のヘリウムバブルを試料中に形成させた。その後8KeVのD_2^+照射を行い、ヘリウムと重水素分子(D_2^+)の質量差を測定できる高分解能質量分析装置と、赤外線ゴールドイメージ炉を用いて昇温脱離実験を行った。その結果、高温領域に新たな重水素の放出ピークが形成された。コントロール材(ヘリウム未照射材)ではこの温度領域における放出は見られない。さらに、重水素の追照射量が増加すると低温側にも多く吸蔵されるようになり、結果的に1x10^<22>D_2^+/m^2では、総吸蔵量が10倍程度に増加した。この原因としては、ヘリウムバブルとタングステンマトリックスとの界面が重水素に対する強いトラッピングサイトとして機能し、さらに高圧のヘリウムバブルがマトリックスにも歪み場等を形成することによって全体の吸蔵量を著しく増加させたものであると考えられた。2カ年にもわたる本研究により、水素(ヘリウム)と照射欠陥との動的相互作用に関して重要な知見が得られ、今後の発展が期待される。
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