| 研究概要 |
本研究は,磁気減衰振動の振動特性を実験および連成有限要素解析などによって解明するものであり,
1.磁気減衰振動の運動方程式および振動特性を明らかにする.
2.磁場の強さに対する減衰効果の強さおよび共振振動数の関係を明らかにする.
3.磁気減衰効果および共振振動数の依存性を検討し,磁気減衰振動が生じる機器の強度評価方法を確立する.
ことを目的として実施し,以下の成果が得られた.
1.磁気減衰振動特性 1 自由度の磁気減衰振動モデルを用いて検討を行い,磁気減衰振動は一般の減衰振動問題とは異なる3次の運動方程式で記述され,その結果,振動特性をあらわす固有値なども一般の減衰振動問題とは異なることを示した.また,強制振動時の磁気減衰振動問題に対しても検討を行い,設計などで問題となる共振振動数が一般の減衰振動問題とは異なることを示した.
2.共振振動数 磁場の強さおよおび試験片のサイズを変化させて磁気減衰振動実験および連成有限要素解析を行い,これらのパラメータに対する共振振動数の依存性を得た.特に,共振振動数が磁場の強さに依存することは,構造解析の結果のみに基づいて共振を避けるように設計を行っても,磁場・構造連成による磁気減衰効果により共振振動数が変化して共振が発生する危険性を示唆している.いたがって,強磁場中の構造物の設計では,電磁・構造連成効果による共振振動の変化も考慮する必要がある.
今後の課題としては,さらに磁場や試験片のサイズ,形状,材料定数に対する磁気減衰振動の挙動の変化を明らかにするとともに,トカマク型核融合炉の様な複雑な形状の構造物に対しての電磁・構造連成効果を考慮した構造設計基準の作成を行う必要がある.
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